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ルカ(聖夜月ルカ)

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010 : 小人の歌曲

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「エリック…泣かないでおくれ…エリックが泣いたらおじちゃんも悲しくなってくるよ。」

エドモンはエリックを抱き締めた。



『もしかして…悪いもの、これか??』

小人は背伸びをしてエドモンの胃のあたりを触った。



「そうだ。ほら、固いのがわかるだろう?」

エドモンが腰を降ろして、小人に自分の身体に触らせる。

小人達は次々にエドモンの身体に触り、歌を歌いながらエドモンのまわりをゆっくりと回る。



(こいつら、一体何をしてやがるんだ?!)

不思議に感じながらも、エドモンはじっとその歌に聞き入っていた。
どこか懐かしい優しい旋律のその曲に、小人達のハーモニーが溶け込んでとても心地良い…

小人達がエドモンの回りを十周ほどして曲が終わった時、赤い帽子の小人が言った。



『悪いものなくなった。
だから、今度、必ずミューズ聴かせる!
約束!!』

「そんな馬鹿な…」

エドモンが自分の身体に触れると、すぐにその異変に気が付いた。
 皮膚の上からでもわかるあの悪い固まりがないのだ!



「こ、こんなことが…!!」

その時だった。



「エリック~!エドモン~!!」

「あ!マルタンさんだ!
マルタンさ~ん、ここだよ~!!」

『人間来た!人間来た!人間来た!!』

小人達はあわてふためき、走り出した。



「ま、待て、あれは…」

『エリック、八つの最初の満月の晩、忘れるな!!』

小人達はそう言い残し、慌ただしくどこかに走り去った。



「あ、マルタンさん!!」
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