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008 : 芸術神(ミューズ)の指先
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エドモンの演奏を聴いてから、私は自分の心の中に変化があったことに気が付いた。
なんといえば良いのだろう…
一言でいえば、心の中が軽くなったのだ。
それも不思議な程に…
私は、夕食後、エドモンにそのことを伝えた。
「そうかい…
そいつは良かったな…
あんた、心の中に辛いことがあったんだな…」
「………そうですね…」
「……つまらないおとぎ話なんだけどな…
ミューズは、神だか天使だかが作った楽器だと言われているんだ。
だから、あの楽器は世界にあれ一つしかない。
そして、あの音色は人々の心の中の悲しみや怒りを浄化してしまう。
涙と一緒に心の外へ流してしまうんだ。」
「神の作った楽器…」
そんなことを信じているわけではないが、あの演奏は確かに普通ではない。
エドモンはきっと並外れて素晴らしい感性を持った演奏家なのだ。
「……俺には時間がない…」
「……今、なんと……?」
「いや…なんでもないんだ。
ところで、あんた達、旅をしてるそうだが、その間に楽器の演奏をしている者を見たことはないか?」
「旅といっても、まだそんなにあちこち行ったわけじゃないんです。
だから、演奏をしてる人を見たことはありません。」
「そうか…」
「誰か、演奏家を探してるんですか?」
「……まぁ、そんな所だな……」
「どんな人なんです?名前は?」
エドモンは首を振った。
私にはその仕草の意味が分からなかった。
なんといえば良いのだろう…
一言でいえば、心の中が軽くなったのだ。
それも不思議な程に…
私は、夕食後、エドモンにそのことを伝えた。
「そうかい…
そいつは良かったな…
あんた、心の中に辛いことがあったんだな…」
「………そうですね…」
「……つまらないおとぎ話なんだけどな…
ミューズは、神だか天使だかが作った楽器だと言われているんだ。
だから、あの楽器は世界にあれ一つしかない。
そして、あの音色は人々の心の中の悲しみや怒りを浄化してしまう。
涙と一緒に心の外へ流してしまうんだ。」
「神の作った楽器…」
そんなことを信じているわけではないが、あの演奏は確かに普通ではない。
エドモンはきっと並外れて素晴らしい感性を持った演奏家なのだ。
「……俺には時間がない…」
「……今、なんと……?」
「いや…なんでもないんだ。
ところで、あんた達、旅をしてるそうだが、その間に楽器の演奏をしている者を見たことはないか?」
「旅といっても、まだそんなにあちこち行ったわけじゃないんです。
だから、演奏をしてる人を見たことはありません。」
「そうか…」
「誰か、演奏家を探してるんですか?」
「……まぁ、そんな所だな……」
「どんな人なんです?名前は?」
エドモンは首を振った。
私にはその仕草の意味が分からなかった。
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