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ルカ(聖夜月ルカ)

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007 : バラの村

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「マルタンさんがみつかったんですか!良かったですね、クロワさん!
…オーバンのことはもう大丈夫です。
早く、マルタンさんの所へ行ってあげて下さい。」

「ありがとう、メラニーさん。
でも、居所がわかってるのですから急ぐことはありません。
もう何日かだけ、オーバンさんの様子をみてから出発します。」



その夜、遅く…
深夜になって、オーバンがふと目を覚ました。

「…オーバンさん…」

「……ここは……?」

「……!!
オーバンさん、気が付かれたのですか?」

「……あんたは誰だ?
俺は……あ…頭が……」

クロワはオーバンに痛み止めの薬を飲ませた。



「私はあなたのお世話をしている者です。
今は何も考えずゆっくりとお休み下さい。」

「…すまないな。
なんだか迷惑をかけてしまったようだな…」

「そんなことお気になさらないで。
さぁ、目を閉じて…」

オーバンはクロワに言われた通りに目を閉じた。

やがて、規則正しい寝息が聞こえてきたのを確かめてからクロワも眠りに就いた。



 朝になり、クロワは昨夜、オーバンの意識が戻ったことをメラニーに話した。

「本当ですか?オーバンが…!」

「もう安心ですね!
きっと、これからオーバンさんは少しづつ記憶も戻ってくると思いますよ。」

「良かった…」

メラニーはオーバンの髪を優しくなでた。



「……メラニー…」

 不意に目を開いたオーバンが、メラニーをみつめ、彼女の名を口にした。



「オーバン…!!
…あなた、私のことがわかるの!?」

「……メラニー…
俺はどうしちまったんだ?」

「オーバン……良かった……本当に良かったわ!」

メラニーは瞳を潤ませ、オーバンの手を両手で握り締めた。



 「メラニー…俺は一体……」

 「オーバン…心配しないで。まずは身体を治すことよ。
そしたら、少しづつ思い出すわ。」



オーバンの意識はまだはっきりとはしていないようだったが、明らかに回復の兆しが見えていた。

その朝の朝食は、久しぶりに明るい雰囲気のものとなった。



「クロワさん、オーバンのことはもう心配いりません。
クロワさんは早くマルタンさんの所へ…それにソレイユ様にも早く薬草のことをお伝えしなくては…!」

「ありがとう!メラニーさん。
そうですね。ソレイユ様にも早くお伝えしなければなりませんし、オーバンさんももう大丈夫ですね。
では、私、今から行って来ます。
用事が済んだら、またここへ戻って来ますから…」



クロワはアマンダの店に向かって出発した。



(…やっと、マルタンさんに会える…!)


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