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007 : バラの村
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「お知り合いですか…?」
メラニーは、クロワのその問いかけに反応もせず、青ざめた顔を男に向けるだけだった。
メラニーの態度は尋常ではない。
きっとなにかあるに違いない…しかし、今はそれを考えることよりもやらなくてはならないことが他にある…!
クロワは、すぐに近場の薬草を採り当座の薬を作ると、シスターに指示を残して薬草を採りに出発した。
男の世話には、メラニーが率先してあたっていた。
クロワの薬を飲ませてもすぐには改善した様子はみられなかったが、夜になるとあの苦しそうな痙攣が起こらなくなってきた。
しかし、熱はまだ高い…
男は赤く火照った顔をして、滝のような汗を流し続ける。
「あの…私が看てますから、少しお休みになって下さい。」
「いえ、私なら大丈夫です。
シスターこそ、お休みになって下さいな。」
「……では、交代で休むことにしましょうか。」
話し合いの末、シスターが先に休むことになった。
前日寝てなかったせいなのか、ほんの数時間休むつもりがシスターは朝まで眠りこんでしまっていた。
目が覚めたシスターが男の様子を見に行くと、メラニーが男の手を取り、涙を流していた。
(メラニーさんはあの男性のことをご存知なのかしら…?)
「あの……」
「あ…」
メラニーは、その声にさっと涙を拭い、顔を洗ってくるといって小屋を出ていった。
男の容態は僅かだがマシになってきているようにも見えた。
しかし、まだ意識は戻ってはいない。
「シスター、心配しなくて大丈夫だよ。
このおじちゃんも、きっとお姉ちゃんが助けてくれるよ。
だって、母さんも助けてもらったし、お姉ちゃんは天使様なんだもん!」
「まぁ、そうなの?」
「うん!
だから、きっと大丈夫だよ!
……おじちゃんも…頑張るんだよ…!」
ジャンの小さな手が男の手をしっかりと握った。
明け方になり、クロワが薬草を持って帰ってきた。
クロワは小屋に着くなり、早速薬の調合に取り掛かった。
「クロワさん、あなたもう二日も寝てないんでしょう。
後は私達にまかせて、あなたはゆっくりお休みなさいな。」
「ありがとうございます。シスター。
でも、私なら大丈夫ですから…」
クロワは健気に微笑んだ。
メラニーは、クロワのその問いかけに反応もせず、青ざめた顔を男に向けるだけだった。
メラニーの態度は尋常ではない。
きっとなにかあるに違いない…しかし、今はそれを考えることよりもやらなくてはならないことが他にある…!
クロワは、すぐに近場の薬草を採り当座の薬を作ると、シスターに指示を残して薬草を採りに出発した。
男の世話には、メラニーが率先してあたっていた。
クロワの薬を飲ませてもすぐには改善した様子はみられなかったが、夜になるとあの苦しそうな痙攣が起こらなくなってきた。
しかし、熱はまだ高い…
男は赤く火照った顔をして、滝のような汗を流し続ける。
「あの…私が看てますから、少しお休みになって下さい。」
「いえ、私なら大丈夫です。
シスターこそ、お休みになって下さいな。」
「……では、交代で休むことにしましょうか。」
話し合いの末、シスターが先に休むことになった。
前日寝てなかったせいなのか、ほんの数時間休むつもりがシスターは朝まで眠りこんでしまっていた。
目が覚めたシスターが男の様子を見に行くと、メラニーが男の手を取り、涙を流していた。
(メラニーさんはあの男性のことをご存知なのかしら…?)
「あの……」
「あ…」
メラニーは、その声にさっと涙を拭い、顔を洗ってくるといって小屋を出ていった。
男の容態は僅かだがマシになってきているようにも見えた。
しかし、まだ意識は戻ってはいない。
「シスター、心配しなくて大丈夫だよ。
このおじちゃんも、きっとお姉ちゃんが助けてくれるよ。
だって、母さんも助けてもらったし、お姉ちゃんは天使様なんだもん!」
「まぁ、そうなの?」
「うん!
だから、きっと大丈夫だよ!
……おじちゃんも…頑張るんだよ…!」
ジャンの小さな手が男の手をしっかりと握った。
明け方になり、クロワが薬草を持って帰ってきた。
クロワは小屋に着くなり、早速薬の調合に取り掛かった。
「クロワさん、あなたもう二日も寝てないんでしょう。
後は私達にまかせて、あなたはゆっくりお休みなさいな。」
「ありがとうございます。シスター。
でも、私なら大丈夫ですから…」
クロワは健気に微笑んだ。
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