74 / 641
007 : バラの村
14
しおりを挟む
激しい頭痛で目が覚めた。
あたりは明るくなっていたが、私の体調は昨夜以上に悪くなっていた。
身体を起こすと脈打つような頭痛とひどい吐気に襲われた。
オーバンはタオルを落とし、荒い息をして横たわっていた。
このままではまずい…
この山に入る者などめったにいないことはわかっていたが、念のために私は薔薇の木と荷物を目立ちにくい場所に隠し、オーバンを背負った。
何度も倒れこみそうになる所をすんでの所で踏みとどまり、のろのろと山道を進んでいった。
途中でオーバンが目を覚まし、自分で歩いていくと言ってくれた。
とても歩ける状態には見えなかったが、そう言ってもらうのはありがたかった。
少しでも歩いてもらって、そこからまた私が背負えば良い…
私はオーバンに肩を貸しながら、また少しづつ歩いていく。
もう少しだ…
あと少し行けば、女王が待っていてくれる…!
以前のように、また女王が私達を助けてくれるに違いない…!
その時だった…
「あぁ~~っ!!」
どちらが先に足を滑らせたのかわからない。
私達は急な斜面を滑り落ちてしまった。
幸いなことに大きな岩のでっぱりで止まった。
危なかった…
この岩がなければ、深い谷底まで落ちてしまう所だった。
「うぅぅ……」
オーバンの声に目を向けると、オーバンの足からは大量の血が流れ出していた。
私はオーバンを背負い、斜面を登る。
それほど長い距離ではなかったが、体調の悪さのせいか、はてしなく長いように思えた。
ここで落ちてしまったら、今度こそもうおしまいだ…!
そう思い、慎重に慎重に上っていく。
やっと元の場所に戻れたのは良いが、私にはもうオーバンを背負うだけの体力がないことは明らかだった。
今の作業で残っていた体力のすべてを使い果たしてしまったような気がした。
オーバンはすっかり意識を失ったらしく、時折、うめきながら苦しげに痙攣をしている。
私はオーバンのズボンを裂き、その布で足を縛って血止めをした。
「オーバン、待ってろよ。
女王を連れてくるから…」
そういうと、よろめく足をひきずって、私は歩き出した。
あたりは明るくなっていたが、私の体調は昨夜以上に悪くなっていた。
身体を起こすと脈打つような頭痛とひどい吐気に襲われた。
オーバンはタオルを落とし、荒い息をして横たわっていた。
このままではまずい…
この山に入る者などめったにいないことはわかっていたが、念のために私は薔薇の木と荷物を目立ちにくい場所に隠し、オーバンを背負った。
何度も倒れこみそうになる所をすんでの所で踏みとどまり、のろのろと山道を進んでいった。
途中でオーバンが目を覚まし、自分で歩いていくと言ってくれた。
とても歩ける状態には見えなかったが、そう言ってもらうのはありがたかった。
少しでも歩いてもらって、そこからまた私が背負えば良い…
私はオーバンに肩を貸しながら、また少しづつ歩いていく。
もう少しだ…
あと少し行けば、女王が待っていてくれる…!
以前のように、また女王が私達を助けてくれるに違いない…!
その時だった…
「あぁ~~っ!!」
どちらが先に足を滑らせたのかわからない。
私達は急な斜面を滑り落ちてしまった。
幸いなことに大きな岩のでっぱりで止まった。
危なかった…
この岩がなければ、深い谷底まで落ちてしまう所だった。
「うぅぅ……」
オーバンの声に目を向けると、オーバンの足からは大量の血が流れ出していた。
私はオーバンを背負い、斜面を登る。
それほど長い距離ではなかったが、体調の悪さのせいか、はてしなく長いように思えた。
ここで落ちてしまったら、今度こそもうおしまいだ…!
そう思い、慎重に慎重に上っていく。
やっと元の場所に戻れたのは良いが、私にはもうオーバンを背負うだけの体力がないことは明らかだった。
今の作業で残っていた体力のすべてを使い果たしてしまったような気がした。
オーバンはすっかり意識を失ったらしく、時折、うめきながら苦しげに痙攣をしている。
私はオーバンのズボンを裂き、その布で足を縛って血止めをした。
「オーバン、待ってろよ。
女王を連れてくるから…」
そういうと、よろめく足をひきずって、私は歩き出した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる