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ルカ(聖夜月ルカ)

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007 : バラの村

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「おかしいと思わないかい?
あんなに必死で逃げるなんてさ。」

「まぁ、確かにそうだが…
だからといって、あいつがクロワの探してた男だとは限らないぜ。」

「そりゃあそうだけどさ…」

「それで、あいつの瞳の色、確認出来たのか?」

「後ろを向いてたし急に駆け出したし…そんなの見る暇なかったさ。」

「そうだろう。
もし、別人だったら、またクロワを振り回すことになるんじゃないか?」

「う~ん…」

「第一、クロワが今どこにいるかもわからないんだろう。」

「多分、まだあの夏至祭の町にいると思うんだけどさ。」

「どの道、その足でそんな所まで行くのは無理だ。
しばらく考えてみちゃあどうだ?」



カーラとしては、すぐにでもクロワに連絡を取りたい所だったのだが、ミシェルの話を聞いていると確かにそうかもしれないと思えた。

ミシェルの時も誰かのいいかげんな話に振り回されて、クロワはこんな所まで無駄足を運ぶ羽目になってしまったのだ。

また今回もそうだったら…
それよりも、カーラ達はただマルタンに似た男をみかけただけで、彼がどこに行ったかもわからないのだ。

こんなつまらない情報をクロワに与えた所で、何がどうなるというのだろう?

そう考えると、やはり、これはクロワには言わない方が良いのかもしれないと思えた。

カーラは、あの時転んでしまった自分への怒りを再び強く噛み締めた。
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