6 / 12
新たな旅へ
5
しおりを挟む
*
「それで、ミカエルは結局みつからないままなのかね?」
「ええ、その通りです。
フィンラの国にはもういないようです。」
「しかし、こっちにも帰って来てはおらん…」
「一体、なんて人なのかしら!
私達を置いていくだけでも酷いけど、この国のこともほっぽりだしてしまうなんて…!」
オニガワラの顔が怒りのために真っ赤になった。
それを見てまるで赤鬼だと感じたのは、ルーファスだけではなかった。
「あいつは確かにいいかげんな奴だが、この国のことはそれなりに考えていたと思うのだがな…」
国王は顔を曇らせた。
「そんなことおっしゃっても、現にミカエルはこうして国を捨ててどこかへ行ってしまったんですから!」
「……もう良い…
あとのことは私がなんとかする…」
その場に気まずい空気が流れ、オニガワラは部屋を出て行った。
「……やはり、この結婚は間違いだったのかもしれん…
アンジェリーヌほどではなくとも…せめて人並みのルックスの女と結婚していれば、こんなことにはならなかったかもしれんな…
ルーファス、おまえはどう思う?」
「そうですなぁ…
オニガワラ様のブサイクは、超ド級のブサイクですからなぁ…
しかし、これもまた運命だったのかもしれませんな。
酒の上での過ちとはいえ、子供まで出来てしまったのは神のご意志としか思えません…」
「やはり、そうか…
では、このままミカエルが戻らなければ、あのシーサーがノルディーナを継ぐ事になるのだな…」
国王はそう言って、がっくりと肩を落とす…
それから、数日後、誰もが予想しなかったことが起ころうとは、この時はまだ誰も気付いてはいなかった。
「それで、ミカエルは結局みつからないままなのかね?」
「ええ、その通りです。
フィンラの国にはもういないようです。」
「しかし、こっちにも帰って来てはおらん…」
「一体、なんて人なのかしら!
私達を置いていくだけでも酷いけど、この国のこともほっぽりだしてしまうなんて…!」
オニガワラの顔が怒りのために真っ赤になった。
それを見てまるで赤鬼だと感じたのは、ルーファスだけではなかった。
「あいつは確かにいいかげんな奴だが、この国のことはそれなりに考えていたと思うのだがな…」
国王は顔を曇らせた。
「そんなことおっしゃっても、現にミカエルはこうして国を捨ててどこかへ行ってしまったんですから!」
「……もう良い…
あとのことは私がなんとかする…」
その場に気まずい空気が流れ、オニガワラは部屋を出て行った。
「……やはり、この結婚は間違いだったのかもしれん…
アンジェリーヌほどではなくとも…せめて人並みのルックスの女と結婚していれば、こんなことにはならなかったかもしれんな…
ルーファス、おまえはどう思う?」
「そうですなぁ…
オニガワラ様のブサイクは、超ド級のブサイクですからなぁ…
しかし、これもまた運命だったのかもしれませんな。
酒の上での過ちとはいえ、子供まで出来てしまったのは神のご意志としか思えません…」
「やはり、そうか…
では、このままミカエルが戻らなければ、あのシーサーがノルディーナを継ぐ事になるのだな…」
国王はそう言って、がっくりと肩を落とす…
それから、数日後、誰もが予想しなかったことが起ころうとは、この時はまだ誰も気付いてはいなかった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ああ、もういらないのね
志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。
それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。
だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥
たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
嘘はあなたから教わりました
菜花
ファンタジー
公爵令嬢オリガは王太子ネストルの婚約者だった。だがノンナという令嬢が現れてから全てが変わった。平気で嘘をつかれ、約束を破られ、オリガは恋心を失った。カクヨム様でも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる