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024.機械少女
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「ん?」
ジュリアンのつるはしが、土の中の何か固いものに触れた。
(なんだ?何なんだ?)
ジュリアンはつるはしをスコップに持ち替えて、あたりを掘り進めた。
「こ、これは箱だ!
やった!
俺は、宝箱をみつけたんだ!」
長方形のその箱は、掘り出して見ると思ったよりもずっと大きな鉄の箱だった。
力には自信のあるジュリアンでも持ち上げることは出来ず、土の中からひきずり出した。
(な、なんて重いんだ…!
箱も鉄で出来てるみたいだが、重いのはそのせいばかりじゃないぞ。
中身もぎっしりって感じだぞ!)
『おかしなものをみつけたな…』
「おっ!エレス!ひさしぶりじゃないか!
ちょうど良かった。
見ろよ!
この宝箱は俺がみつけたんだぞ!
もしかしたら、これで俺も億万長者になれるかもしれないぞ!
エメラルドなんて、目じゃないな。」
『……相変わらず、お前は馬鹿だな。
この大きさや形を見て、何か思い付かないか?』
「何かって…
そしたら、何か?
おまえは、これが宝箱じゃないとでも言うのか?」
『当たり前だ。宝箱のはずがなかろう。
これは棺桶ではないのか?』
「か、か、棺桶だとぉ?」
ど、どこの世界に鉄の棺桶を作る奴がいるっていうんだ!」
『しかし、この大きさは人間一人が入るのにちょうど良い大きさだとは思わないか?』
「そ、そ、そんなことがあるもんか!
たまたまそういう大きさだったってことに違いないさ。
そうか!わかったぞ!
おまえ、俺が宝箱を掘り当てたのが、悔しいんだろう?
それで、そんな薄気味の悪い事を言って、怖がらせようって魂胆だな!!」
『そんなにいうのなら、開けてみれば良いではないか。』
「あぁ、もちろんだ!
俺は、怖かなんかねぇぞ!
これは棺桶なんかじゃないんだからな!
なんともないからな!!」
『御託は良いから、早く、開けてみろ。』
「あぁ、開けてやる!
開けてやるとも…!今、開けるからな!!」
ジュリアンは口ではそう言いながらも、なかなか手が動かない。
『何をしている。早くしないか。』
「本当にうるせぇ野郎だな!!
今、開ける所だ!!」
エレスに急かされたジュリアンは意を決し、冷たい鉄の箱に手をかけた。
「ん?開かねぇぞ?!
どこかに鍵でもあるのか?
っていうか、蓋がないぞ。」
ジュリアンが箱のまわりをきょろきょろと見まわしている最中…
その時、箱の上部が中央からゆっくりと左右に開いた。
ジュリアンのつるはしが、土の中の何か固いものに触れた。
(なんだ?何なんだ?)
ジュリアンはつるはしをスコップに持ち替えて、あたりを掘り進めた。
「こ、これは箱だ!
やった!
俺は、宝箱をみつけたんだ!」
長方形のその箱は、掘り出して見ると思ったよりもずっと大きな鉄の箱だった。
力には自信のあるジュリアンでも持ち上げることは出来ず、土の中からひきずり出した。
(な、なんて重いんだ…!
箱も鉄で出来てるみたいだが、重いのはそのせいばかりじゃないぞ。
中身もぎっしりって感じだぞ!)
『おかしなものをみつけたな…』
「おっ!エレス!ひさしぶりじゃないか!
ちょうど良かった。
見ろよ!
この宝箱は俺がみつけたんだぞ!
もしかしたら、これで俺も億万長者になれるかもしれないぞ!
エメラルドなんて、目じゃないな。」
『……相変わらず、お前は馬鹿だな。
この大きさや形を見て、何か思い付かないか?』
「何かって…
そしたら、何か?
おまえは、これが宝箱じゃないとでも言うのか?」
『当たり前だ。宝箱のはずがなかろう。
これは棺桶ではないのか?』
「か、か、棺桶だとぉ?」
ど、どこの世界に鉄の棺桶を作る奴がいるっていうんだ!」
『しかし、この大きさは人間一人が入るのにちょうど良い大きさだとは思わないか?』
「そ、そ、そんなことがあるもんか!
たまたまそういう大きさだったってことに違いないさ。
そうか!わかったぞ!
おまえ、俺が宝箱を掘り当てたのが、悔しいんだろう?
それで、そんな薄気味の悪い事を言って、怖がらせようって魂胆だな!!」
『そんなにいうのなら、開けてみれば良いではないか。』
「あぁ、もちろんだ!
俺は、怖かなんかねぇぞ!
これは棺桶なんかじゃないんだからな!
なんともないからな!!」
『御託は良いから、早く、開けてみろ。』
「あぁ、開けてやる!
開けてやるとも…!今、開けるからな!!」
ジュリアンは口ではそう言いながらも、なかなか手が動かない。
『何をしている。早くしないか。』
「本当にうるせぇ野郎だな!!
今、開ける所だ!!」
エレスに急かされたジュリアンは意を決し、冷たい鉄の箱に手をかけた。
「ん?開かねぇぞ?!
どこかに鍵でもあるのか?
っていうか、蓋がないぞ。」
ジュリアンが箱のまわりをきょろきょろと見まわしている最中…
その時、箱の上部が中央からゆっくりと左右に開いた。
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