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011.お菓子の家
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「こっちですよ…」
どこからともなく聞こえて来た声に導かれ、ジャックは躊躇いがちに歩き始めた。
「そう…こっち…こっちですよ…」
その声は、耳に聞こえてくるというよりは、心の中に直接注がれているような不思議なものだった…
「あ!ジャック!」
「ガレット!」
ジャックと顔を合わせたのは、ジャックと同じ顔をした少女、ガレットだった。
「ジャックも来てたの?」
その言葉にジャックは黙って頷く。
「もしかして、ガレットもあの声に呼ばれて?」
ガレットは何度も頷いた。
「誰が呼んでるんだろう?」
「なんか…不思議な声だよね…」
「そういえば、ここ、どこなんだろうね?」
二人はいつものように手を繋ぎ、あたりを見回す。
ここは森の中…
木々の隙間からは暖かな木洩れ日が差し込み、空では可愛らしい声で小鳥がさえずり、遠くからは小川のせせらぎが聞こえて来る。
二人にはまるで見覚えのない場所ではあったが、その居心地の良さから不安な気持ちは少しも感じなかった。
「着いていっても大丈夫かな?」
「うん、きっと大丈夫よ。
だって、こっちは二人なんだもん。」
「そうだね。
あの声は一人みたいだから大丈夫だよね。
それに、こんな気持ちの良い所にはおばけも悪い人もいないよね、きっと。」
ガレットとジャックは顔を見合わせて微笑んだ。
子供達の相談はいとも簡単にまとまり、二人はこのまま不思議なあの声についていくことになった。
どこからともなく聞こえて来た声に導かれ、ジャックは躊躇いがちに歩き始めた。
「そう…こっち…こっちですよ…」
その声は、耳に聞こえてくるというよりは、心の中に直接注がれているような不思議なものだった…
「あ!ジャック!」
「ガレット!」
ジャックと顔を合わせたのは、ジャックと同じ顔をした少女、ガレットだった。
「ジャックも来てたの?」
その言葉にジャックは黙って頷く。
「もしかして、ガレットもあの声に呼ばれて?」
ガレットは何度も頷いた。
「誰が呼んでるんだろう?」
「なんか…不思議な声だよね…」
「そういえば、ここ、どこなんだろうね?」
二人はいつものように手を繋ぎ、あたりを見回す。
ここは森の中…
木々の隙間からは暖かな木洩れ日が差し込み、空では可愛らしい声で小鳥がさえずり、遠くからは小川のせせらぎが聞こえて来る。
二人にはまるで見覚えのない場所ではあったが、その居心地の良さから不安な気持ちは少しも感じなかった。
「着いていっても大丈夫かな?」
「うん、きっと大丈夫よ。
だって、こっちは二人なんだもん。」
「そうだね。
あの声は一人みたいだから大丈夫だよね。
それに、こんな気持ちの良い所にはおばけも悪い人もいないよね、きっと。」
ガレットとジャックは顔を見合わせて微笑んだ。
子供達の相談はいとも簡単にまとまり、二人はこのまま不思議なあの声についていくことになった。
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