STORY BOXⅡ

ルカ(聖夜月ルカ)

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007.迷いの森

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「どうしましょう?レヴさん。」

 「そうだな。歩いていくより馬車の方がうんと早い。
 次の馬車が来るまで、ここで待つことにしよう。」

 西の森を出て数日後、やっと馬車道に出たレヴとヴェールだったが、あいにくと今馬車は出払っていて明日にならないと戻って来ないということだった。
レヴ達は、今日一日をこのあたりで過ごすことに決めた。



 「宿にいてもつまらない。
 少し散策でもしてみようか。」

 「そうですね。
このあたりは、気持ちの良さそうな場所ですから楽しみですね。」

ヴェールの言った通り、宿の周りは実に自然豊かな環境だった。
 町の大通りからさほど離れてはいないというのに、木々が程よく立ち並び、涼やかな風が吹いている。



 「良い所ですね。
 静かですし、空気が綺麗で…」

 「そうだな。
 町にもすぐだし、馬車道も近い、それでいてこれほど静かな場所も珍しいな。」

 二人がゆったりと散策していると、すれ違った男性がこの先に滝があることを教えてくれた。
 早速、そこへ向かおうとした二人だが、なかなかそれらしきものがみつからない。



 「おかしいですね。
 確か東とおっしゃったはずなのに。
もう少し奥なんでしょうか?」

 「そうかもしれないな。
 滝はたいてい山深い所にあるものだからな。
しかし、こんなことなら昼食を食べて来てからにすれば良かったな。」

 「レヴさんはここで休んでいて下さい。
 私はもう少しこのあたりを探してみます。」

 「では、二手に別れよう。
 私はこちらを探してみるから、君はそちらを頼む。」

 「わかりました。
だけど、レヴさん、あんまり遠くには行かないで下さいよ。」

 「わかってるさ。
 私は君みたいに方向感覚が優れてはいないからな。
 危険な所には行かないよ。」

その言葉にヴェールは微笑み、二人は滝を探して歩き出した。
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