STORY BOXⅡ

ルカ(聖夜月ルカ)

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007.迷いの森

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「君の言った通りだったな。
クリストは、とても5歳には見えない。」

 「あれが森の民としてはごく普通の成長なんですよ。
 私達は、成人になるまでの過程が人間より早いようです。」

 「そのようだな。
……ヴェール、実は私にも子供が出来たのだ。」

 「そうだったんですか!
それはおめでとうございます!
 今、おいくつなんですか?」

 「今3歳とちょっとの女の子だ…」

 「3歳ですか…きっと可愛いさかりなんでしょうね。」

 「ヴェール、相談というのは実はその子のことなんだ。」

 「その子のこと…?
どういうことですか?」

レヴはヴェールに話した。
 娘・フラヴィが普通の人間よりもずっと成長が早いこと、そのため、このまま屋敷にいるわけにはいかず、自分としてはこの西の森で暮らしたいと思っているということを。



 「そんなことが…!
 私の血の作用がまさかお子さんにまで影響しているとは…
申し訳ありません。」

 「何を言う…君のせいじゃないのだ。
 私達もまさかこんなことになるとは思ってもみなかった。
それで、リーズと考えたのだ。
 普通の人間と同じように年を取らない私達があのまますっと屋敷にいることは出来ないと思っていた。
しかし、10年やそこらはなんとか隠しとおせると思っていたのだが子供の成長はそうもいかない。
すでにフラヴィは同じ年の子とは相当な違いが出て来ている。
あちこちの場所を転々としながら暮らしていくことも出来ない事はないが、それよりもここで静かに暮らした方があの子のためにも良いと考えたのだ。」

 「そうだったのですか…
では、すぐにでもこちらへ…」

 「他の人達に相談しなくても良いのか?
 私達は、君に血をわけてもらったとはいえ、森の民ではないのだぞ。
もし、だめだと言われたら、私達は外の世界で暮らす覚悟は出来ている。」

 「ここでのことは、すべて森の民の長である私に権限があります。
それに、ディサさん達もあなたとの繋がりは知ってますから反対はなさらないでしょう。
そうでなければ、護り石をあなたに渡す時点で反対されたと思いますよ。」

 「血を分けたことはディサさん達は知っているのか?」

 「いいえ。
 今夜、すべてを打ち明けましょう。」
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