STORY BOXⅡ

ルカ(聖夜月ルカ)

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001.星の砂

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「何?もしかして、最近までこのことに気付いてなかったのかい?」

 「そうさ。
 俺は買い物は好きだが、買ってしまったらもうどうでもよくなってしまってな。
それで、そのまま部屋の隅に置いてたんだ。
それがちょっと前にふと『もしかしたら、あの時の買い物に住所を書いた紙が紛れてるかもしれない』って思いついて、探してたら、この星の砂がみつかったってことなんだ。」

 「あんたって人は…まったく呆れたもんだね。
いいかげん、そんな馬鹿な買い物はやめた方が良いよ。」

 「それがなかなかやめられないんだよ。」

 「それで、住所がみつかったのかい?」

 「違うんだ。
 結局、住所はみつからなかったんだけど、思い出したんだ。
レヴさんの苗字を。
レヴさんはすごいお金持ちだって聞いてたから、そのあたりに行けばわかると思って探しに行ったというわけさ。
 町に着いてすぐにわかったよ。
たまたま声をかけたのが、レヴさんの屋敷の使用人だったらしくて、あんたのこともピエールさんの店のことも知ってたんだ。」

 「それは運が良かったね。」

 「だろ?やっぱり、これも星の砂のおかげじゃないか?」

 「で、レヴ達は元気なのかい?」

 「それが…とにかく、ピエールさんの店のことを聞いてすぐに別れたからな…」

 「なんだ…どうせなら、レヴの屋敷まで行ってくれば良かったのに…」

 「俺はそんなに親しいわけじゃないから、行き辛いよ。」

 「そうかい。じゃあ、またそのうち一緒に行こうか。」

 「そうだな。
……ところで、ピエールさんは?」

 「実は…ピエールは…3ヶ月程前に亡くなったんだ…」

 「そんな…」

 「もう年だったからね…」

 「そうか…あんたはピエールさんと幸せに暮らしてるんだと思ってたよ。」

 「あぁ…とても幸せだったよ。
 3ヶ月前まではね…
ジャン、今夜は、ピエールの思い出話を聞いてくれるかい?」

 「…あぁ、思う存分、聞かせてくれよ。」

 「ジャン……」



その晩、サリーは、心にたまってたものを全部吐き出すかのように話し、泣いた…
ジャンは、そのすべてを包み込むように何も言わずじっと聞いていた。
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