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001.星の砂
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「サリー!サリーじゃないか!
今までどこに行っとったんじゃ!」
「ピエール、ごめんよ。
ちょっと旅に出てたもんで…」
「ちょっとって…
レヴさんの結婚式からもう2年近くも経ってるんじゃぞ!
あんまり遅いから、お屋敷に様子をみにいったら、サリーさんなら1週間ほど前に出て行ったとメイドに聞かされてのぅ…
もしや、おまえさんが思いきったことでもしたんじゃないかと、わしがどれほど心配したかわかってるのか!」
「ちょっと待ってよ。
思い切ったことって何のことを言ってんのさ。
なんで、あたしがそんなことしなきゃなんないんだよ。」
「しかし、レヴさんが…」
「何?あたしがレヴのことを好きで、レヴが結婚したショックで自殺でもすると思ったのい?
馬鹿言ってんじゃないよ。
それなら、屋敷に半年近くもいるわけないだろ。
あたしはね、レヴのことなんてなんとも思ってないし、レヴの奥さんのリーズとも仲良しなんだ。
本当にあんたは馬鹿だね。」
「そうじゃったのか…
わしはすっかり勘違いをしとったんじゃな…
そうか、そうか…それなら良いんじゃ…
しかし、なら、なんで旅なんぞに…」
「まぁ、とにかく話は中でさせてよ。
それに、あたし、おなかもすいてるんだ。
何か食べさせておくれよ。」
「そうか、じゃあ、すぐに用意をするからな。」
(懐かしいね…)
いつ来てもまるで変わらないピエールの店…
サリーは、ここへ来る度、とても落ちついた気分になれた。
(やっぱり、ここがあたしの家なんだね…)
しばらくすると、ピエールが料理を運んで持って来た。
「突然じゃったから、たいしたものはないが、とにかくおあがり。」
「ありがとう!
ピエールの手料理を食べるのも久しぶりだね。
明日からはあたしが作るからね。」
「明日からって…しばらくここにいるつもりなのか?」
「しばらくどころか、ずっとだよ!」
「えっ?!」
「前に約束したじゃないか。
旅が終わったら、ここに戻って来てあんたと一緒に暮らすって。」
「本当か?サリー、それは、本当なのか?」
「あぁ、本当さ。
だから、最後の旅行をしてきたんだ。
ここにじっくり留まるためにね。
もう思い残すことはない位、あちこちを旅して来たから、あたしはもうどこにも行かないよ!」
今までどこに行っとったんじゃ!」
「ピエール、ごめんよ。
ちょっと旅に出てたもんで…」
「ちょっとって…
レヴさんの結婚式からもう2年近くも経ってるんじゃぞ!
あんまり遅いから、お屋敷に様子をみにいったら、サリーさんなら1週間ほど前に出て行ったとメイドに聞かされてのぅ…
もしや、おまえさんが思いきったことでもしたんじゃないかと、わしがどれほど心配したかわかってるのか!」
「ちょっと待ってよ。
思い切ったことって何のことを言ってんのさ。
なんで、あたしがそんなことしなきゃなんないんだよ。」
「しかし、レヴさんが…」
「何?あたしがレヴのことを好きで、レヴが結婚したショックで自殺でもすると思ったのい?
馬鹿言ってんじゃないよ。
それなら、屋敷に半年近くもいるわけないだろ。
あたしはね、レヴのことなんてなんとも思ってないし、レヴの奥さんのリーズとも仲良しなんだ。
本当にあんたは馬鹿だね。」
「そうじゃったのか…
わしはすっかり勘違いをしとったんじゃな…
そうか、そうか…それなら良いんじゃ…
しかし、なら、なんで旅なんぞに…」
「まぁ、とにかく話は中でさせてよ。
それに、あたし、おなかもすいてるんだ。
何か食べさせておくれよ。」
「そうか、じゃあ、すぐに用意をするからな。」
(懐かしいね…)
いつ来てもまるで変わらないピエールの店…
サリーは、ここへ来る度、とても落ちついた気分になれた。
(やっぱり、ここがあたしの家なんだね…)
しばらくすると、ピエールが料理を運んで持って来た。
「突然じゃったから、たいしたものはないが、とにかくおあがり。」
「ありがとう!
ピエールの手料理を食べるのも久しぶりだね。
明日からはあたしが作るからね。」
「明日からって…しばらくここにいるつもりなのか?」
「しばらくどころか、ずっとだよ!」
「えっ?!」
「前に約束したじゃないか。
旅が終わったら、ここに戻って来てあんたと一緒に暮らすって。」
「本当か?サリー、それは、本当なのか?」
「あぁ、本当さ。
だから、最後の旅行をしてきたんだ。
ここにじっくり留まるためにね。
もう思い残すことはない位、あちこちを旅して来たから、あたしはもうどこにも行かないよ!」
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