夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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星とオリキャラ~地中の星~

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「おばあさんはね、ここにまつわる伝説を話して下さったのよ。
ラスター、ここに埋まっているのは何だと思う?」

そう言って、セリナは穴の中に視線を落とした。



「埋まってる…?
やっぱりここにはなにか埋まってるのか!?」

「そうよ。
ここには、ね……お星様が埋まってるの…」

「なんだって!?星が?
……そんな馬鹿な…」

ラスターは、穴の底に飛び降りると、ランプであたりを照らしだし土を手に取り入念に調べた。



「セリナ、この土くれのどこが星なんだ?」

ラスターは手の平に乗せた茶色い土を差し出した。



「そうね…皆がそう思ってるよね。
お星様は、空で輝いてるものだって……」

セリナは、両手を着いて夜空を仰ぎ見る。
夜空には数え切れない程の星が煌き、大きな丸い月がその真ん中でにっこりと微笑んでいるようだった。



「流れ星に懸命に願いを架ける人間達を見て、ある時、あるお星様は考えたんですって。
流れ星の数は少なく、それを見られる者は少ない。
さらにその流れは早く、チャンスをものに出来ない者もいる。
もっとたくさんの人間が落ちついて願い事を架けられる方法はないものか…」

セリナは空を見上げながら、まるで物語の一説を読み上げるように淡々と語り続けた。




「それで…?
それで、その星は何か名案を思い付いたのか?」

ラスターは再び穴の縁に腰掛け、セリナの次の言葉を待った。



「ええ……
お星様は、もっと身近に星があれば良いんだと考えたの。そして、いつでも人間達が願い事が出来るようにと、自分の身体の一部を切りとって地上に落としたの。
でも、残念なことに事態はお星様の思惑とは違うものになっていった。
お星様はほんの少しの欠片を落としたつもりだったけど、地面は大きく揺れ、町には轟音が響き渡り、町の皆をすごく不安な気持ちにさせてしまったの。
さらに悪い事に、ちょうどその頃、大きな台風が来て町をめちゃくちゃにしてしまった。
星が落ちて来たのは不幸の前触れだったんだって…あの星は不幸の星なんだと言って、皆、この場所を怖がり誰も近寄らなくなってしまったそうよ。」

哀れな星の話を淡々と語るセリナの様子が、ラスターにはどこか不思議に感じられた。



「セリナ…」

「自分の気持ちが誤解されてしまったことで、お星様はとても悲しい気持ちになって、それ以来、自ら輝くのをやめ、暗い闇の中に隠れてしまったんですって。」

セリナはラスターのかけた声を遮り、話し続けた。
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