夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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星とオリキャラ~地中の星~

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(なんだか眠れないなぁ…)

ラスターは、ベッドの中から窓越しに夜空を見上げた。
昨日からの強行軍のため、今日は、皆、いつもより早めに床に就いたのだが、元々が夜更かし癖のあるラスターの瞼はなかなか重くならなかった。



(酒でも…っていっても、この町には遅くまでやってそうな酒場はなかったよなぁ…いや、酒場自体あったかどうか…)

様々なことを考える度に、ラスターの目は冴えていく。
そんな時、隣の部屋で小さな物音がするのが聞こえた。



(……あれ?もしかしたら、セリナかエリオットも起きてるのかな?)

ラスターは、ベッドから抜け出し壁の前で耳を欹てた。
しばらく続いた小さな物音は、やがてドアノブを回す音に変わり、廊下を歩く足音に変わった。
ラスターは、ドアを細めに開け、足音の主をそっと確かめる。



(セリナ…
ランプなんか持って、こんな時間に一体どこに行くつもりなんだ?)

セリナが極力足音を立てないように気遣いながら歩いていることは、ラスターにもはっきりと感じられた。
それは、外出を他の仲間に気付かれないようにしているのだということ…

ラスターは、愛用のナイフを腰のベルトに差し込むと、部屋を抜け出しセリナの後を追った。







宿屋があるのが不思議に感じられる程小さなこの田舎町では、すでに開いている店もなく出歩く者もいなかった。
セリナに歩調を合わせ、一定の距離を保ちながら、ラスターは彼女に気付かれないように細心の注意を払い後をつけた。

セリナは町を抜け、裏山の方へ歩いて行く。
意外に明るい月明かりを少し疎ましく感じながら、ラスターは物陰に身を潜めながら用心深くセリナの後を追い続ける。



(セリナは裏山に向かってるみたいだけど、裏山に、一体、何があるっていうんだ?
それに、こんな時間に一人で山に入るなんて…魔物に襲われでもしたらどうするつもりなんだ!)

いつでも飛び出せるように腰のナイフに右手をかけ、ラスターはセリナの後を着いて行く。
山にはそれなりに人が訪れるのか、道らしきものが一応設えてあるにはあったが、その道幅は狭く勾配はきつい。
脇道から魔物やおかしな者が現れたら、逃げ場さえないような道だ。
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