夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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ポーリシアの老女

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 「あ、あれだな!やっとみつけたぞ。
 迂回するとこんなに遠かったんだな。
……あぁ、疲れた。」

 「だいたい、フレイザーがこんなに食料を買いこむからだろ!」

 「だから……そのことはさっきも話したじゃないか。
 肉や魚は、イリヤに塩漬けにしてもらうんだ。
そういう口実があれば、ちょっとくらい居座ってても文句は言われないだろ?」

サンドラの家が間近に迫った頃、三人はすでに息が上がり、汗びっしょりになっていた。



 「ちょっと急ぎ過ぎたね。
こんなに遠いなら、もっとゆっくり来れば良かったね。
そしたら……あれっ……?」

イリヤが話している時、ちょうど反対側の道から歩いて来るエリオットとサンドラの姿が三人の目に映った。



 「エリオットだ。」

 「でも……なんだか婆さんと親しそうだな…」



エリオットもすぐに三人に気付き、驚いたような表情に変わった。



 「エリオットーー!
 遊びに来たぞ!」



フレイザーは、大きな声で叫びながら手を振った。



 「おい、大丈夫なのか!?
 遊びに来たなんて言って……」

 「あ、そうか……」

 「もう言っちゃったんだし仕方ないよ。
でも、そんなに怖そうな人には見えないね。」



 三人と二人は、ちょうど家の前で合流した。



 「みんな、どうしたの!?」

 「うん、おまえがどうしてるかって気になって…
あ、おばあさん、初めまして。
 俺達、エリオットの友達のフレイザーと、ジャックとイリヤです。
こいつ、さぼらずにちゃんと働いてますか?」

 「あぁ、とても良くしてくれてるよ。
 遠い所、大変だったね。
 汗びっしょりじゃないか。
とにかく、家の中に……」

 「エレだ!エレが実ってる!」



サンドラが話し終えないうちに、イリヤがエレの木がみつけ大きな声を上げた。



 「……まぁ、その話も家の中でしようじゃないか。
エリオット、皆にお茶を煎れておあげ。」

 「う、うん……」



 聞いていた話とはまるで違い、優しい対応をしたサンドラに三人は驚き、エリオットは見知らぬイリヤが一緒に来たことに、頭をひねった。



 「エリオット、俺も手伝うよ。」

 「う、うん、ありがとう。」

エリオットの後を着いて行くフレイザーを、ジャックはじっと目で追った。

 
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