夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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ポーリシアの老女

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「……なるほどなぁ…言われてみれば確かにそうだな…
 ……そっか、そんなに堅苦しく考えずに、まずは始めてみれば良いってことだな!
ジャックという人間をもっと深く知って…」

 「フレイザー…」

フレイザーの顔が輝き、明るい声でそう話し始めた時、それとは裏腹にエリオットの顔は暗く曇った。



 「……どうしたんだ?エリオット。」

 「ボクは君の友達だ。
だから……本心を話すね。
ボク…ジャックのことは嫌いじゃないよ。
 悪い人だとも思ってないし、幸せになってほしいとも思ってる…
でも……」

 「でも、なんだよ?
さっき、あんなこと言ったくせに、反対するっていうのか?」

エリオットは俯き、そのまま小さく俯いた。



 「……ボク、なんだか怖いんだ。
 君はジャックと知り合ってからトラブルに巻きこまれてばっかりだ。
ラスターに切られた時も、ボク、すごく心配したんだよ。
 今回も君は怪我をしたっていうじゃないか。
それもどうせジャック絡みのことなんでしょう?」

 「今回のははたいした怪我じゃない。
それに、ラスターの時だって、俺が入っていかなきゃきっとラスターは脅かすだけで済んだんだ。
ジャックのせいなんかじゃない。」

エリオットはそれには答えず、二人の間に気まずい沈黙が流れた。



 「エリオット…そろそろ戻ろうか…
遅くまでつきあわせてすまな…」

 「フレイザー…忘れたの?」

フレイザーの言葉を遮り、エリオットが小さな声で問いかける。



 「忘れたって…一体、何のことだ?」

 「ボク達はいつか帰るんだよ…
その時、ジャックはどうなるの?
もしも、君とジャックがつきあうようになって、そしてお互いが愛し合うようになっても、必ず、別れが来るんだよ…
君も当然辛いだろうけど、その時、ジャックはどうなると思う?
やっと出来た信用出来る相手が、突然いなくなったらジャックは……」

 俄かにフレイザーの眉間に深い皺が刻まれ、エリオットとフレイザーの視線が激しくぶつかった。
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