夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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波に揺られて

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 「皆、体調は大丈夫か?」

ダルシャの言葉に、皆の視線がラスターに集まった。



 「な、なんだよ。」

ラスターは顔を上げ、食事の手を停めて不満そうな声を漏らした。



 「ダグラス爺さんの薬がみつかって良かったわね。」

 「この前は悲惨だったもんねぇ…」

ラスターは小さく舌を打ち、再び、料理を口に運び始めた。
フレイザーとジャックは顔を見合わせ、無理に笑いを押し殺す。



 「元気ならそれで良い。
ポーリシアまでは七日だそうだから、そう退屈する程でもないだろう。」

 「今回もまた着いたら適当に探すつもりなのか?」

 「そうだな…残念ながらあてはないから、そういうことになるだろうな。
だが、適当とはいえ、私達にはセリナがいる。
 今まで四つの大陸で私達は願い石…ほとんどは双子石だったが、それらをみつけることが出来た。
これは本当にすごいことだが、それにはやはりセリナの存在が大きい。」

 「そんなことないわ。
 私達は、ツキとか運とか…いえ、それ以上のなにか目には見えない力に護られてるような気さえするのよ。
だって、ジャーマシーでもダルシャがブライアンの話を聞き込んで来なければ手掛かりすらなかったのよ。
 仮になんとかディーラスまで辿りつけたとしても、それにはきっともっと長い時間がかかったでしょうし、私の力ではあの祠で願い石をみつけられたかどうか…」

セリナの話に、皆、得心したように小さく頷いた。
 今まで旅して来た四つの大陸での出来事を思い出すと、まるで最初から謀られていたかのように思えることさえあったことを、各々が実感していた。



 「今度も必ずみつけようね!」

 「もちろんよ!
……あ…そういえば、願い石はあと三つしかないのよね。
それが全部願い石だったとしても、三つじゃ皆の願いは…」

そう言って、セリナは皆の顔を順番に見渡した。



 「あ…お、俺達は別に良いんだ。
 記憶なんてきっとそのうち戻るだろうし、戻らなきゃ戻らないでなんとかなるし…」

 「う、うん。そうそう。」

 「君達のことは私が責任を持つ。
たとえ、記憶が戻らなくても生活の心配はしなくて大丈夫だ。」

ラスターはその言葉に反射的に鼻を鳴らした。



 「さすがに金持ちは違うな。
 二人の面倒くらい、ペットを飼うのと同じようなもんだってことか。」

 「ラスター、ダルシャは何もそんなつもりで…」

ダルシャをかばうエリオットを、ラスターは意地悪い視線で睨み付けた。
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