357 / 802
ディーラスを目指して
43
しおりを挟む
「そうだったな。
確かにそのくらいみたいだな。
でも……そういえば、あんたはダルシャと違って、今まで一度も女を買いにいくこともなかったな。
……やっぱり、エリオットのことが好きだからか?」
「ち、違うって!
俺はエリオットにそんな気持ちを持ったことなんてない!」
「でも、昔のことは覚えてないんだろ?
一緒にいたんだから、恋人同士だったかもしれないじゃないか。」
「そりゃあ、確かに昔のことはわからないが、でも、今は全くそんな気持ちはない!
それは間違いない!」
「……ふ~ん……」
どこかフレイザーを小馬鹿にしているようなジャックの口調に、フレイザーは少し不機嫌になりながらもそれ以上何も言えずに俯いた。
(当たり前だろ!
エリオットは男なんだぞ!
俺が硝子玉にあんなくだらない願いをかけたからあんな風になってるだけで、男のエリオットを知ってるんだから恋愛感情なんて持てるはずがない…
でも、そんなこと、ジャックには言えないし…
……っていうか、やっぱり俺って遅れてるんだろうな。
17で彼女の一人もいないなんて、クラスでも俺とエリオットと……まぁ二人だけじゃないだろうけど、多分少ないんだろうな。
だいたい、今まで特にものすごく好きになった女の子なんていなかった…そりゃあ、女の子に全然興味がなかったわけじゃないけど、そんなことより遺跡を探したりする方が楽しかったし…
でも、今の俺はどっからどう見ても大人なんだから、ジャックの言うようにちょっとくっついたくらいでドキドキしてるようじゃおかしいよな。
今まではジャックが男だと思ってた時はなんともなかったのに、女だって知った途端になんでこんなに変わるんだよ……あぁ、俺ってだめな奴だ…)
「どうしたんだ、フレイザー…
やっぱり足が痛むのか?」
「え?い、いや、なんでもない。
ま、とにかくだな…ジャック、急ごうぜ。
皆が待ってる!」
「あぁ……」
二人は、暗くなるまでには辿り着くであろうヘイレンを目指し、再び歩き始めた。
確かにそのくらいみたいだな。
でも……そういえば、あんたはダルシャと違って、今まで一度も女を買いにいくこともなかったな。
……やっぱり、エリオットのことが好きだからか?」
「ち、違うって!
俺はエリオットにそんな気持ちを持ったことなんてない!」
「でも、昔のことは覚えてないんだろ?
一緒にいたんだから、恋人同士だったかもしれないじゃないか。」
「そりゃあ、確かに昔のことはわからないが、でも、今は全くそんな気持ちはない!
それは間違いない!」
「……ふ~ん……」
どこかフレイザーを小馬鹿にしているようなジャックの口調に、フレイザーは少し不機嫌になりながらもそれ以上何も言えずに俯いた。
(当たり前だろ!
エリオットは男なんだぞ!
俺が硝子玉にあんなくだらない願いをかけたからあんな風になってるだけで、男のエリオットを知ってるんだから恋愛感情なんて持てるはずがない…
でも、そんなこと、ジャックには言えないし…
……っていうか、やっぱり俺って遅れてるんだろうな。
17で彼女の一人もいないなんて、クラスでも俺とエリオットと……まぁ二人だけじゃないだろうけど、多分少ないんだろうな。
だいたい、今まで特にものすごく好きになった女の子なんていなかった…そりゃあ、女の子に全然興味がなかったわけじゃないけど、そんなことより遺跡を探したりする方が楽しかったし…
でも、今の俺はどっからどう見ても大人なんだから、ジャックの言うようにちょっとくっついたくらいでドキドキしてるようじゃおかしいよな。
今まではジャックが男だと思ってた時はなんともなかったのに、女だって知った途端になんでこんなに変わるんだよ……あぁ、俺ってだめな奴だ…)
「どうしたんだ、フレイザー…
やっぱり足が痛むのか?」
「え?い、いや、なんでもない。
ま、とにかくだな…ジャック、急ごうぜ。
皆が待ってる!」
「あぁ……」
二人は、暗くなるまでには辿り着くであろうヘイレンを目指し、再び歩き始めた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
異世界召喚されて捨てられた僕が邪神であることを誰も知らない……たぶん。
レオナール D
ファンタジー
異世界召喚。
おなじみのそれに巻き込まれてしまった主人公・花散ウータと四人の友人。
友人達が『勇者』や『聖女』といった職業に選ばれる中で、ウータだけが『無職』という何の力もないジョブだった。
ウータは金を渡されて城を出ることになるのだが……召喚主である国王に嵌められて、兵士に斬殺されてしまう。
だが、彼らは気がついていなかった。ウータは学生で無職ではあったが、とんでもない秘密を抱えていることに。
花散ウータ。彼は人間ではなく邪神だったのである。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
異世界召喚に巻き込まれたおばあちゃん
夏本ゆのす(香柚)
ファンタジー
高校生たちの異世界召喚にまきこまれましたが、関係ないので森に引きこもります。
のんびり余生をすごすつもりでしたが、何故か魔法が使えるようなので少しだけ頑張って生きてみようと思います。
お嬢様は謙虚堅実!? ~生まれながらにカリスマが限界突破していた少女と偽神に反逆する者達~
猫野 にくきゅう
ファンタジー
お嬢様は謙虚堅実!?
最悪な人生だった。
それ以外に、言いようのない人生が終わった。
私は高校一年生の冬に、死んだ。
そして────
転生の女神と出会い、異世界に転生する。
今度こそ、まともな人生を歩めますように……。
そう祈りながら────
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる