夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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ディーラスを目指して

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 「畜生!またか!」

ラスターは舌を打って、こぶしを握り締めた。



 「でも、まだブライアンに願い石をみつけられたわけじゃないよ。
ここからが本当の勝負じゃないか!」

 「エリオットの言う通りだ。
ここまではわずかにブライアンに先を越されているが、ここからは徒歩だ。
そうなれば、旅慣れた私達の方が有利になる。
 一日の遅れ等、すぐに巻き返せる筈だ。」

 「そりゃあそうだけど…
ま、良いか…どうせこんなに暗くなったんじゃ出掛けられない。
 明日からがんばれば良いんだから、今夜はゆっくりしようぜ。」



ヘイレンへの旅を続けてきた四人は、行く先々でブライアンらしき男の足跡を発見した。
しかし、それはいつもわずかに遅れている。
そのわずかな遅れはなかなか縮めることが出来ず、ヘイレンの宿屋では、昨夜、ブライアンが宿泊し、今朝旅立ったとの情報を得た。



 「じゃあ、早速、何かおいしいものでも食べに行こうよ。
 僕、おなかぺこぺこ…あれ…セリナ…?
どうかしたの?」

エリオットは、俯いて何も言わず、落ち付かない様子で視線を動かすセリナに気が付いた。



 「セリナ…具合でも悪いのか?」

 「……そうじゃないの…
この町に着いてから、どうも石の気配を感じるの…
ブライアンの言ってたことは間違いないわ。
 私達は間違いなく石に近付いてる……」

セリナの言葉に、その場には息詰まるような緊張が張り詰める。



 「よ~し!
じゃあ、明日からは気合い入れて頑張らないとね!
そのためにも今夜はたくさん食べとかなきゃ…!」

 「エリオットは食べることばっかりだな…」

 「だって、お腹減ってるんだもん!」

 冷やかすようなラスターの言葉に、エリオットは子供のようにほっぺたを膨らませる。



 「私もなんだかお腹がすいてきたわ。
さぁ、早く行きましょう!」

セリナは一際元気な声を張り上げ、エリオットの手をひいて歩き出した。
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