夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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四つ目の大陸

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 「ええっ!ラスターが!!」

ジャックを部屋に誘い、ワインをすすめて無理に寝かしつけたセリナは、その後、診療所のエリオットを訪ねた。



 「うん、それでフレイザーにいろいろ相談しててね…
で、僕、ちょっとセンチな気持ちになってフレイザーに慰めてもらってた所にジャックがやって来て……で、僕達のことを完全に誤解したみたいなんだ。
でも、そう思わせとけば、ラスターにもいつかその話が伝わって却って都合が良いんじゃないかなんてフレイザーは言うんだけど、ジャックはなんだかえらくびっくりしたみたいなんだよね。」

 「ねぇ、エリオット…
あなた、本当にフレイザーのことはなんとも思ってないの?
その…好きとかいう気持ちはないの?」

その言葉にエリオットはまるで水に濡れた子犬のように、ぶんぶんと首を振った。



 「ないない!
 僕は、フレイザーにそんな気持ちを感じた事なんて、一度もないよ!」

 「そう…確かに、あなたの態度を見てるとフレイザーと仲良くは見えるけど、恋愛感情を感じた事はなかったわ。
でも、二人共記憶を失ってるわけだし、二人は実は恋人同士だってことも……」

 「そんなこと、ないってば~!」

エリオットは首と同時に手まで振り、懸命に否定する。



 「そうよね…私も最初はそんなこと思ったこともあったけど、二人の様子を見てるとどうも違うのよね…
それで、フレイザーもあなたのことはなんとも思ってないの?」

 「当たり前だよ!」

 「じゃあ……フレイザーには誰か好きな人はいそう?」

 「えっ…!?
セリナ…どうしてそんなこと聞くの?
……もしかして、セリナ…フレイザーのことを…?」

エリオットの瞳が、急に大きく広がった。



 「まさか…!
それはないわ。」

 「……だよね。
じゃ、どうしてそんなこと聞くの?」

 「それは今は事情があって言えないんだけど…
私……実はね、キューピッドになろうと思ってるの。」

そう言って、セリナはくすくすと肩を震わせる。



 「キューピッド…?
キューピッドって、あのキューピッドだよね?
どういうこと?」

 「ナイショ…!」

 「えーーーっ!そこまで言っておいて、ナイショなんて酷いよ!
 教えてよー!」

 「だめ!」

セリナとエリオットはそんなやりとりを交わしながら、子供のようにはしゃいだ。
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