夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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 「さぁて、どうするかな…」

ラスターは、威嚇するようにジャックの周りをゆっくりと歩き回る。
それに対し、ジャックは、顔を伏せたまま何も言わなかった。

ダルシャ達がゾラーシュに着いたのは、夜も更けた頃だった。
 宿屋で話を聞いた一行は、すぐさまオスカーの家を訪ねた。



 「……ジャックにはきっとなにか深い悩みがあって、そのために願い石が必要なんだと思うわ。
 詳しいことはわからないけど、私は、彼も一緒に連れて行ってあげたいと思ってるの…」

 「セリナ…本当に良いのか?
ジャックのやったことを本当に許してくれるのか?」

セリナは、フレイザーに向かって深く頷く。



 「彼は時々胸が痛くなりそうな程、寂しい顔をするの。
 彼にはきっと何か事情があるんだと思うわ。
 今はまだそれがどんなことなのかわからないけど…きっと大変なことで……そう考えると、私は、彼のことをこのまま放ってはおけないの。
ダルシャ、お願い!
どうか、ジャックを一緒に連れて行ってあげて!」

セリナの熱のこもった言葉に、ダルシャは思わず苦い笑みを浮かべる。



 「君達には困ったもんだな。
よくもまぁこれだけお人良しが揃ったもんだ。
 彼が、おかしな奴らと通じていないのなら、私は特に反対するつもりはない。
だからといって、私はまだジャックのことを完全に信用したわけではないぞ。
もしも、今後すこしでも彼がおかしな真似をするようなら容赦はしない。
……フレイザー、君はどうだ?
 君は、彼の面倒がみられるのか?」

 「あぁ!そのことなら保証する!
 今回のことについてはよ~く話してみるし、二度とこんな真似はさせない!」

 「ダルシャ、僕も協力するよ。
 僕もこの前みたいにセリナから離れることはしないから…」

すがるような想いを込めた六つの瞳に、ダルシャは失笑する。



 「……わかったよ。
ジャックのことは君達に任せたからな…」

エリオットとセリナが手を合わせて喜んでいる所へ、ラスターのものらしき怒声が響いた。



 「どうしたのかしら?」

 四人は、声の元へ急いだ。

 
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