夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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 「セリナはまだ手伝ってるのか?」

 「そうみたいだな。
セリナは優しいから、婆さんだけに任せとけないんだろうな。」

 「客は私達だけのようだし、それほど仕事があるとは思えないのだがな…
 ……フレイザー、エリオットはすっかり寝てしまったようだ。
ベッドで寝かしてやった方が良いんじゃないか?」

ダルシャは、長椅子の片隅で眠るエリオットに視線を落とした。



 「ラスターが酒を飲ませるからだぞ…エリオットはあんまり飲めないのに…」

そう言いながら、フレイザーは大きな口を開けてあくびをする。



 「なんだか俺も眠くなってきたよ。」

 「あんた達は相変わらず酒には弱いな。
あれっぽっちでもう眠いのかよ?」

 「あぁ…あんまり飲みすぎるとえらいことになるし、俺はもうそろそろ休ませてもらうよ。
おい、エリオット、起きろ!
 部屋で休まないと風邪ひくぞ!」

フレイザーに揺り起こされたエリオットは、寝惚け眼でフレイザーの後に続いた。



 「君はどうする?
まだ飲むか?」

 「そうだな……俺ももう良いよ。
あんたと二人で飲んでも仕方がないしな。」

 「……そうだと思った。
では、私はもう少しだけ飲むよ。」

フレイザーやエリオットに続き、ラスターが部屋に向かい、しばらくしてようやくセリナが姿を表した。



 「セリナ…大変だったな。お疲れ様。」

 「あら?皆は?」

セリナは、部屋の中に他の三人の姿を探す。



 「皆、もう部屋で休んでるよ。
……そんなに仕事があったのか?」

 「そうじゃないの。
おばあさんに昔話を聞かせてもらってただけなのよ。
ダルシャ、待っててくれたの?」

 「なんだ、そうだったのか。
 私は気分良く飲んでただけだよ。
それで…もう良いのか?」

 「ええ…」

セリナは満足げな笑顔を浮かべ、ダルシャはグラスに残ったワインを飲み干し、二人も各自の部屋へ引き上げた。

 
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