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再会
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「実は……ジャックは、セリナのことを妙に気にしてるんだ。
本当はこの大陸に着いてからも一緒に行動する筈じゃなかったらしいんだ。
だけど、フレイザーが仲間の話をして、セリナが銀色の髪をしてるって知った途端、ジャックは一緒に行くって言い出したらしいんだよ。
そんな髪の人を見た事がないから見てみたいって言ってたらしいけど、フレイザーはそうじゃないって考えてるみたいだよ。
きっと、何かわけがあるんだろうって。」
エリオットは、セリナの様子を気にするように何度も見ながら自分の知っていることを話した。
「おい、そいつ、危険じゃないか!
セリナに何する気なんだろう?
フレイザーはなんだってそんな奴とセリナを会わせようとしてるんだ?」
「……でも、フレイザーは、言ってたよ。
ジャックには何か秘密があるけど、悪い奴じゃないって…」
「甘いこと言ってるんじゃねぇ!
そんな胡散臭い奴をセリナに会わせられる筈ないだろ!
エリオットももっとしっかり言ってやらなきゃ駄目じゃないか!」
「だって……」
エリオットは、ラスターに返す言葉がみつからず困ったように俯いた。
「こら、ラスター!
女の子をいじめるんじゃない!
エリオットのことをあんなに真剣に願い石に願ったのはどこのどいつだ?」
「えっ!?」
「こら!爺さん!
つまんないこと言うなよ!」
ラスターは真っ赤な顔をしてオスカーに怒鳴る。
「エリオット…こいつはな、口は悪いが、おまえさんのことは本当に大切に思ってるんだよ。」
「もう良いって!!」
「……ねぇ、今、願い石って言った?
もしかして、もう願い石がみつかったの?」
「そうなんだ…実はな…」
話しかけたダルシャの言葉が不意に途切れ、その表情が強張っていく。
「ダルシャ…どうかしたの?」
「オスカーさん!もう一度あの願い石を…
どうか、お願いします!」
ダルシャはエリオットに問いには答えず、オスカーに向かって真剣な表情で懇願する。
「え…そりゃあ良いが、一体どうしたっていうんだ?」
ダルシャのただならぬ様子に、皆、わけがわからないまま、ダルシャの言葉を待った。
本当はこの大陸に着いてからも一緒に行動する筈じゃなかったらしいんだ。
だけど、フレイザーが仲間の話をして、セリナが銀色の髪をしてるって知った途端、ジャックは一緒に行くって言い出したらしいんだよ。
そんな髪の人を見た事がないから見てみたいって言ってたらしいけど、フレイザーはそうじゃないって考えてるみたいだよ。
きっと、何かわけがあるんだろうって。」
エリオットは、セリナの様子を気にするように何度も見ながら自分の知っていることを話した。
「おい、そいつ、危険じゃないか!
セリナに何する気なんだろう?
フレイザーはなんだってそんな奴とセリナを会わせようとしてるんだ?」
「……でも、フレイザーは、言ってたよ。
ジャックには何か秘密があるけど、悪い奴じゃないって…」
「甘いこと言ってるんじゃねぇ!
そんな胡散臭い奴をセリナに会わせられる筈ないだろ!
エリオットももっとしっかり言ってやらなきゃ駄目じゃないか!」
「だって……」
エリオットは、ラスターに返す言葉がみつからず困ったように俯いた。
「こら、ラスター!
女の子をいじめるんじゃない!
エリオットのことをあんなに真剣に願い石に願ったのはどこのどいつだ?」
「えっ!?」
「こら!爺さん!
つまんないこと言うなよ!」
ラスターは真っ赤な顔をしてオスカーに怒鳴る。
「エリオット…こいつはな、口は悪いが、おまえさんのことは本当に大切に思ってるんだよ。」
「もう良いって!!」
「……ねぇ、今、願い石って言った?
もしかして、もう願い石がみつかったの?」
「そうなんだ…実はな…」
話しかけたダルシャの言葉が不意に途切れ、その表情が強張っていく。
「ダルシャ…どうかしたの?」
「オスカーさん!もう一度あの願い石を…
どうか、お願いします!」
ダルシャはエリオットに問いには答えず、オスカーに向かって真剣な表情で懇願する。
「え…そりゃあ良いが、一体どうしたっていうんだ?」
ダルシャのただならぬ様子に、皆、わけがわからないまま、ダルシャの言葉を待った。
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