夢の硝子玉

ルカ(聖夜月ルカ)

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 夕食は、お互い、しばらく離れていた間の話が止まらず、食べるのもそっちのけに盛りあがった。
しかし、しばらくすると、フレイザーの様子が落ち付かないものに変わっていった。
 何度も懐中時計を取り出しては時間を気にする素振りを見せた。



 「フレイザー、どうしたんだ?
さっきから時間ばかり気にして…」

 「うん、実は……さっき少し話しただろ?
 船で知り合ったジャックって奴のこと…そいつとはぐれたままなんだ。
もしかしたら、あいつ、俺達のことを探してるかもしれない。」

 「だが、はぐれるといっても、私と出会うまでは一緒にいたのだろう?
ならば、おそらく今頃は宿にいるのではないか?
きっと、あの時は私との話を邪魔してはいけないと思って少し離れただけなんだと思うが…」

 「……やっぱり、俺、宿屋に行ってみるよ。
 今夜は宿屋に泊まって、明日、ジャックを連れてここに来る。」

 皆、フレイザーの事を引き止めたが、フレイザーの気持ちは変わらず、オスカーの家を後にした。



 「あいつもけっこう面倒見が良いんだな。」

 「……そうだね。
ジャックは、身体もあんまり丈夫じゃないし、年も18だって言ってるけどあの体格じゃ本当は15~6歳だろうって…いろいろとわけありみたいだからって、フレイザーはけっこう気にかけてるんだ。
それと……」

そこまで言いかけて、エリオットは急に戸惑うように口をつぐんだ。



 「……なにかあるのか?」

 「う…ん……
まだ、詳しいことがわかってるわけじゃないんだけど……」

 「なんだよ、そんなこと言われたんじゃ気になるじゃないか。いいから言えよ。」

ラスターに強く促され、エリオットは渋々話し始めた。
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