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「そんなすごい人なら、小さな役くらい、もらえそうですね。」

「そうだね。
また次に来た時にせっついてみるよ。」



わぁ、なんだか複雑。
嬉しいような、寂しいような…



でも、たっくんの夢なんだもん。
応援してあげなきゃね。



「そういえば、ダンスのレッスンやボイトレはどういう所に行ってるんだい?」

「どういうって…詳しくは知らないんですが…」

「一流の人に教えてもらわなくちゃだめだよ。
高いだろうけど、金のことなら、私が工面するから。」

うわぁ、恭子さん、太っ腹~!



「一応、伝えておきます。」

そう言うしかないよね。
でも、たっくん…どういう所に通ってるのかな?
考えたことすらなかったよ。
工場のバイト代、ほぼつぎ込んでるんじゃないかな?
私には、月に5000円くれてるけど。
だけど、さすがは恭子さんだね。
そんなことにまで気がつくなんて。



「レッスン着とかはあるのかな?」

「え、えぇっ!?」

それも考えたことなかったなぁ。



「次に買ってくるよ。」

「あ、ありがとうございます。」

あ~あ、またいろいろ買ってきそうだね。
私が気が利かないせいだよね。
仕方ないね。
とりあえず、ありがたく使わせてもらおう。
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