la poupee

ルカ(聖夜月ルカ)

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la poupee pure ver.

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「ビセンテ!!」

 「君は…ルネなのかい?」

 「そうよ、ルネよ!
 会いたかった…ビセンテ…
本当に会いたかった…!」

ルネは小さなビセンテを強く抱き締め、熱い涙を流す。



 「…それから、クロエ…
本当にごめんなさい…
あなたの身体をこんなにたくさん傷付けてしまって…
あなたには、なんと言っておわびをしたら良いのかわからないわ…
クロエ…本当にごめんなさい…
 …でも、私…最初からこんなことをするつもりじゃなかったのよ…
それだけは信じて…!」

 「…もういいのよ、ルネ…
あなたも、人間になって辛い想いをしてしまったのね…可哀想に…」

 「…クロエ…こんな私を許してくれるの?」

 「…ええ…
お人形になってみて、私もあなたの寂しさがわかったもの…」

 「クロエ…」

ルネは、本来の自分の身体を強く抱きしめ、涙を流した。



 「それにね…
 …カミーユ…本当にあなたには感謝してるわ…
あなたは決して諦めなかった…
まわりの人に見放されても、私がどれほど絶望しても、あなたはこんなに長い間、私のことを見捨てないでいてくれた…」

 「…クロエ…僕は諦めの悪い女々しい男なだけだよ。
 君のことをどうしても忘れられなかっただけさ…」

 「カミーユったら…」

 「そんなことより、ビセンテとルネのことを教えておくれよ。」

 「聞いて下さいますか?僕達のことを…」

カミーユとクロエは深く頷く。



 「僕達は…あなた方が生まれる遥か昔に作られました。
 僕達を作ってくれたのは、ジョルジュさんという青年でした。
ジョルジュさんにはミレーヌさんという恋人がいて、二人は将来を誓いあっていたのです。
ミレーヌさんは身体が弱かったから、将来子供が出来なかったらどうしよう?と、よくジョルジュさんに言ってたそうです。
だから、ジョルジュさんは、それならもしも子供が出来なかったらこの子達を二人の子供として可愛がろうと言って、僕とルネを作ったのです。」

 「そうだったの?
 私、そんなこと初めて聞いたわ。
あなたはどうしてそんなことを知っているの?」

 「ルネ、黙ってお聞きよ。
…二人はとても僕達を可愛がってくれました。
ところが、僕達が出来てからほどなくして、ジョルジュさんは急な病で亡くなってしまったのです。」

 「そうだったわね。
それは私も覚えてる。
ジョルジュさんが亡くなった時、ミレーヌさんは毎日泣いていたわ…」

 
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