la poupee

ルカ(聖夜月ルカ)

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la poupee pure ver.

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「ルネ!やっと来てくれたのね!
 今日はいつもより遅いような気がするけど…」

 「クロエ…まだよくわかってないのね…
昨夜は来なかったのよ…」

 「えっ?そうなの?」

 「気付いてなかったの?
 昨夜はあなたをリビングに座らせてたことに…」

 「え…そうなの?あ…昨夜は…もしかしたら土曜日…?」

 「そうよ。
あなた達が土曜日の夜に何をしてたか…やっとわかったわ…」

ルネは、そう言ってくすくすと笑った。



 「ルネ!あなた、まさか…?!」

 「クロエ…ほら、見て!
 私は今、あなたの身体の中にいるのよ…」

 「そんな…だって…」 

 「人間達はあんなことをしてたのね…
初めての感触だったわ…
どうやったら良いのかわからなかったから、カミーユがちょっととまどってたわ。
でも、大丈夫!
 今度はもっとうまくやれる!」

 「…ルネ…今度って…
何を言ってるの?
もう良いでしょう?
 私の身体を返してちょうだい!」

クロエは、高ぶる感情に珍しく大きな声を上げた。



 「まだだめよ。
 私、知らないことが多すぎるもの。
だって、まだたったの一週間なのよ。」

 「そんな…ひどいわ。
 身体を貸すのは少しだけって言ったのに…」

 「ひどいのはあなたの方よ!
たった一週間で返せだなんて…
何ももらったわけじゃないわ。
あなたは今まで二十年以上も生きて来て、そしてこれから先も何十年も生きていくのに、私にはたった一週間の楽しみしかわけてくれないなんて…」

 「…でも…」

 「やっといろんなことを知って楽しくなってきた所だったのに…
 …たった一週間だけだなんて…」

ルネは、瞳に涙を浮かべ、唇をきつく噛みしめた。



 「……わかったわ…じゃ、もう少しだけよ…」



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