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la poupee pure ver.
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「…ルネ…おはよう…
昨夜はすごく不思議な夢を見たわ…」
クロエはルネの髪をなでながら、そっとつぶやいた。
窓からは温かな日差しが射し込む。
またいつもと変わらない、クロエの一日が始まる。
「行ってくるわね!ルネ…」
昨日の繰り返しのような日々…
やがて高くに上った陽は沈み、それに変わって柔らかな光を放つ月が顔を出す時間になった。
「ただいま、ルネ…
最近は暗くなるのが早いわね。」
いつもならクロエは帰宅するとリビングでくつろぐのだが、今日は真っ先に寝室に向かった。
仕事中もルネのことばかりを考えていた。
(…お人形と親友になる夢を見るなんて…
どうしてこんなにルネに惹かれてしまうのかしら…)
そんなことを考えている時も、ついついルネの髪に手が伸びてしまう。
(…なんてしなやかな髪なのかしら…)
自分でも不思議なくらい、クロエはルネに惹かれていた。
(…あ!まだ夕飯も食べてなかったわ!)
「ルネ、ちょっと待っててね!」
クロエは、いつものように…いや、いつもより幾分手早く夕飯の支度をし、それを食べ、入浴を済ませると早めに寝室に戻ってきた。
少しでもルネのそばにいたいのだ。
ルネに今日あった出来事を話して聞かせた。
特にたいしたことではないのだが、ルネに話して聞かせているとそれだけでクロエはなんともいえない楽しい気分になってしまうのだ。
ルネは、ただ黙ってクロエの話に耳を傾ける。
♪♪♪♪♪♪♪♪
いつもの時間にカミーユからの電話が鳴った。
「カミーユ、聞いて!」
受話器を取るとクロエは早速昨晩の夢のことを話して聞かせた。
「…素敵な夢でしょう?
私とルネはよほど波長が合っているのね!」
「君は本当にルネのことを気に入ってるんだね。
夢の中にまでルネが出てくるなんてね…」
「そうなの…
私もこんなことは初めてだから、ちょっと不思議な気分だわ…」
「今夜はルネじゃなくて、僕の夢を見ておくれよ…」
「カミーユったら…!
わかったわ!今夜はあなたの夢を見るわ。
だから、あなたも私の夢を見てね!」
そんな他愛のない会話を交しながら、二人は受話器を置いた。
「おやすみなさい…ルネ…」
「…ルネ…おはよう…
昨夜はすごく不思議な夢を見たわ…」
クロエはルネの髪をなでながら、そっとつぶやいた。
窓からは温かな日差しが射し込む。
またいつもと変わらない、クロエの一日が始まる。
「行ってくるわね!ルネ…」
昨日の繰り返しのような日々…
やがて高くに上った陽は沈み、それに変わって柔らかな光を放つ月が顔を出す時間になった。
「ただいま、ルネ…
最近は暗くなるのが早いわね。」
いつもならクロエは帰宅するとリビングでくつろぐのだが、今日は真っ先に寝室に向かった。
仕事中もルネのことばかりを考えていた。
(…お人形と親友になる夢を見るなんて…
どうしてこんなにルネに惹かれてしまうのかしら…)
そんなことを考えている時も、ついついルネの髪に手が伸びてしまう。
(…なんてしなやかな髪なのかしら…)
自分でも不思議なくらい、クロエはルネに惹かれていた。
(…あ!まだ夕飯も食べてなかったわ!)
「ルネ、ちょっと待っててね!」
クロエは、いつものように…いや、いつもより幾分手早く夕飯の支度をし、それを食べ、入浴を済ませると早めに寝室に戻ってきた。
少しでもルネのそばにいたいのだ。
ルネに今日あった出来事を話して聞かせた。
特にたいしたことではないのだが、ルネに話して聞かせているとそれだけでクロエはなんともいえない楽しい気分になってしまうのだ。
ルネは、ただ黙ってクロエの話に耳を傾ける。
♪♪♪♪♪♪♪♪
いつもの時間にカミーユからの電話が鳴った。
「カミーユ、聞いて!」
受話器を取るとクロエは早速昨晩の夢のことを話して聞かせた。
「…素敵な夢でしょう?
私とルネはよほど波長が合っているのね!」
「君は本当にルネのことを気に入ってるんだね。
夢の中にまでルネが出てくるなんてね…」
「そうなの…
私もこんなことは初めてだから、ちょっと不思議な気分だわ…」
「今夜はルネじゃなくて、僕の夢を見ておくれよ…」
「カミーユったら…!
わかったわ!今夜はあなたの夢を見るわ。
だから、あなたも私の夢を見てね!」
そんな他愛のない会話を交しながら、二人は受話器を置いた。
「おやすみなさい…ルネ…」
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