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061 : 君を探して
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クロワとクロードの姿はまるで豆粒のように小さくなっていた。
私達は、歩調を速めたが、二人との距離はなかなか縮まらなかった。
「あの二人、なんであんなに飛ばしてるんだ?
何か、用でもあるんだろうか?」
「さぁ、私は何も聞いてないが…」
「まぁ、いいや。
次の町は街道沿いだって話だから、はぐれることもないし、マルタン…少し休んで行こうぜ。」
「……そうだな。」
私達は大きな木の根元に腰を下ろした。
やはり、リュックはかなり気落ちしているようだ。
いつもなら、この程度のことでは休もう等と言い出さないのに…
「あぁ、良い風だ……」
独り言のようにリュックはそんなことを言いながら、頭を木に預け、目をつぶった。
ディヴィッドのことでも考えているのだろうか?
邪魔をしてはいけないと思い、私は何も言わず遠くをぼんやりとみつめていた。
先程、リュックにも言ったが、やはりリュックにはナディアのところに行くように説得した方が良いのではないだろうか。
海底神殿のことは雲を掴むような話だ。
そんなことで、貴重な時間を浪費して、ナディアが本当に心変わりをしてしまったら、目も当てられない。
逆に、ナディアが一途にリュックを待ち続けていたとしても、それはそれで気の毒な話だ。
もしかしたら、私の手でこの旅を終わらせてやることが正しいことかもしれない。
少なくとも、リュックのためにはなるのではあるまいか。
そんなことを考えていたら、静かな寝息が聞こえてきた。
エヴァの店を作るために、このところはけっこう無理を重ねていたし、リュックも疲れたのかもしれない。
それは私も同じことだ。
不意に襲って来た睡魔に、私は大きく伸びをして、そして、静かに目を閉じた。
私達は、歩調を速めたが、二人との距離はなかなか縮まらなかった。
「あの二人、なんであんなに飛ばしてるんだ?
何か、用でもあるんだろうか?」
「さぁ、私は何も聞いてないが…」
「まぁ、いいや。
次の町は街道沿いだって話だから、はぐれることもないし、マルタン…少し休んで行こうぜ。」
「……そうだな。」
私達は大きな木の根元に腰を下ろした。
やはり、リュックはかなり気落ちしているようだ。
いつもなら、この程度のことでは休もう等と言い出さないのに…
「あぁ、良い風だ……」
独り言のようにリュックはそんなことを言いながら、頭を木に預け、目をつぶった。
ディヴィッドのことでも考えているのだろうか?
邪魔をしてはいけないと思い、私は何も言わず遠くをぼんやりとみつめていた。
先程、リュックにも言ったが、やはりリュックにはナディアのところに行くように説得した方が良いのではないだろうか。
海底神殿のことは雲を掴むような話だ。
そんなことで、貴重な時間を浪費して、ナディアが本当に心変わりをしてしまったら、目も当てられない。
逆に、ナディアが一途にリュックを待ち続けていたとしても、それはそれで気の毒な話だ。
もしかしたら、私の手でこの旅を終わらせてやることが正しいことかもしれない。
少なくとも、リュックのためにはなるのではあるまいか。
そんなことを考えていたら、静かな寝息が聞こえてきた。
エヴァの店を作るために、このところはけっこう無理を重ねていたし、リュックも疲れたのかもしれない。
それは私も同じことだ。
不意に襲って来た睡魔に、私は大きく伸びをして、そして、静かに目を閉じた。
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