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048 : 数珠つなぎ
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「それじゃあ、アンディ…後のことはよろしく頼んだわよ。
もうじき、ガラス屋さんも来てくれるはずだから、それを見届けてから帰ってね。」
「わかってますよ。」
リンゼイの母が思い掛けないことを言い出したために、結局、鍵はクロワが近くの町に買いに行った。
それをアンディに手渡したクロワは、クロードと共にリンゼイの屋敷を旅立った。
「またいつでも遊びに来て下さいね!」
「リュックさん達にもどうぞよろしくお伝え下さい。」
いつまでも手を振るリンゼイ親子とアンディに、何度も振り向きながらクロワも同じように手を振った。
「リュックさん達、待ちくたびれてるかもしれませんね。
急がなくては。」
「そうですね。私も早く会いたいです。
会って、アンディのことを話したい。
……アンディのことを聞いたら、リュックはきっと喜ぶわ。」
クロワはそう言いながら、小さく肩を揺らした。
「クロワさん…アンディとリンゼイさんはこの先どうなると思いますか?」
「あの二人なら絶対に幸せになれますわ。」
クロワは、自信ありげに断言した。
「……そうかもしれませんね。
彼ならリンゼイさんの容姿ではなく、真っ直ぐに人柄を見てくれそうだ。」
「……先生ならいかがですか?
リンゼイさんの痣……気になりますか?」
「僕は医者ですから、さほど気にはなりません。
ですが、多くの人々がそういうものに過剰に反応することはわかってますよ。
でも、考えてみれば、あなたもリュックさんやマルタンさんも、そういうことを気にされる方ではありませんよね。
どうしてですか?」
「……さ、さぁ…どうしてかしら?
あ、先生…少し急ぎませんか?
暗くなるまでには隣町に着きたいですね。」
「あ、クロワさん……」
急に歩く速度を早めたクロワの後を、クロードは慌てて追いかけた。
「それじゃあ、アンディ…後のことはよろしく頼んだわよ。
もうじき、ガラス屋さんも来てくれるはずだから、それを見届けてから帰ってね。」
「わかってますよ。」
リンゼイの母が思い掛けないことを言い出したために、結局、鍵はクロワが近くの町に買いに行った。
それをアンディに手渡したクロワは、クロードと共にリンゼイの屋敷を旅立った。
「またいつでも遊びに来て下さいね!」
「リュックさん達にもどうぞよろしくお伝え下さい。」
いつまでも手を振るリンゼイ親子とアンディに、何度も振り向きながらクロワも同じように手を振った。
「リュックさん達、待ちくたびれてるかもしれませんね。
急がなくては。」
「そうですね。私も早く会いたいです。
会って、アンディのことを話したい。
……アンディのことを聞いたら、リュックはきっと喜ぶわ。」
クロワはそう言いながら、小さく肩を揺らした。
「クロワさん…アンディとリンゼイさんはこの先どうなると思いますか?」
「あの二人なら絶対に幸せになれますわ。」
クロワは、自信ありげに断言した。
「……そうかもしれませんね。
彼ならリンゼイさんの容姿ではなく、真っ直ぐに人柄を見てくれそうだ。」
「……先生ならいかがですか?
リンゼイさんの痣……気になりますか?」
「僕は医者ですから、さほど気にはなりません。
ですが、多くの人々がそういうものに過剰に反応することはわかってますよ。
でも、考えてみれば、あなたもリュックさんやマルタンさんも、そういうことを気にされる方ではありませんよね。
どうしてですか?」
「……さ、さぁ…どうしてかしら?
あ、先生…少し急ぎませんか?
暗くなるまでには隣町に着きたいですね。」
「あ、クロワさん……」
急に歩く速度を早めたクロワの後を、クロードは慌てて追いかけた。
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