お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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048 : 数珠つなぎ

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 「あんたがナンシーさんか。
じゃあ、この子がミックだな?」

 「ええ、その通りですが……あなた方は?」

 広場には大勢の人々が集まっていた。
 怪我人を治療する診療所のようなところや、炊き出しをしている者もおり、とにかく町の者がごった返す中、私達はようやくナンシーを見付けることが出来た。



 「俺達はな……」

リュックは、ここに来た理由を簡単に話して聞かせた。
 話を聞き進むうちに、私達のことを警戒していたのか、どこか強張っていたナンシーの顔が安心したような表情に変わった。



 「そうだったんですか。
それはお手数をおかけしました。
ほら、ミック…だから言ったでしょう?
あなただけでも早く戻った方が良かったのよ。」

 「でも、あの時は大変だったじゃないか。
 僕だけ帰れやしないよ。」

 「そりゃあ、あんたがいてくれて助かったけど、そのせいで兄さんが心配して、この人達が来てくれたのよ。」

 「だけど……」



 「ナンシー、どうかしたのか?」

ナンシーとミックが話してる所へ体格の良い若い男が近付いてきた。
 男は、私達のことを疎ましげにみつめる。



 「あぁ、ジャック……
この人達、兄さんの知り合いらしくって、ミックのことを心配して来てくれたの。」

 「そうだったのか…俺は、ナンシーの隣に住んでるジャックだ。
よろしくな。」

 話を聞いてみると、ナンシーの夫アーノルドは怪我をしながらも、町のことで奔走しているという。
ナンシー夫妻にはイーヴという幼い子供がおり、アーノルドはその子のことを気遣って、トーマスの所へ行くように言ったが、ナンシーはナンシーで町のことや夫のことが心配だと言って、夫の言うことを聞かないのだという。



 「あんたの気持ちもわかるけど、こんな小さな子をここに置いとくのは危険だ。
 空気も悪いし、ここにいたら何日も野宿させることになるんだぜ。
 食べるもんだって、しばらくはちゃんとしたものが食べられないかもしれない。
そうだ!それじゃあ、俺達があんたの代わりに働くから、あんたはその子とミックを連れてトーマスさんの所へ行ってくれ。」

 「え!?で、でも、そんなこと……」

 「良いんだ。
 俺達なら働くのには慣れてるし、あんたより力だってある。
だから、早くその子達を連れて隣町に行ってくれ。」

 「しかし、リュック、今からでは夜道を通ることになる。
 私が送って行こうか。」

 「それなら、ちょうどラムゼイさん達が今から隣町へ行くって言ってたから……
あ!ラムゼイさん!」

ジャックはそう言うと、急に駆け出した。
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