221 / 506
043 : 雪の街
11
しおりを挟む
「ところで、爺さん、おかしなことを聞くが…この町で何か変わったことはなかったか?」
「変わったこと…?どんなことじゃ?」
「う~ん…たとえば、人が殺されたことがあったとか……何か事件や事故みたいなものだな。」
「殺人事件じゃと!?
この街は平和な街じゃ。
そりゃあ、まぁ、酔った者同士の喧嘩くらいはあったが、死人が出たことなんぞ一度もない。」
老人は、きっぱりとした口調でそう言うと大きく首を振った。
「そうか~…じゃあ、大きな事故なんかもなかったか?」
「ないな。
……あ、昔、一度だけとても大きな台風はあったぞ。
あの時は潰れた家もあったくらいでな。」
「死人は出たのか?」
老人は、怪訝な表情をリュックに向けた。
「なんじゃ、あんた、さっきから死人、死人って…おかしなことを聞くのう。」
「い、いや、その台風のことは隣町でも聞いたけど、そんな大きな台風なら死人も出たんじゃないかってふとそんなことを思っただけだ。」
老人の視線を避けながら、リュックはそう言うと、水筒のお茶をぐいっと飲んだ。
「……そういえば、確か、飛んできた屋根だったかなんだったかで頭を打って大怪我をした人がいたが…
あれは、雑貨屋のおやじだったかいのう…
だが、死にはせんじゃったぞ。」
「そ、そうか、それは良かったな。
……あ、爺さん、山菜は夕飯に使うんだろ?
そろそろ運んだ方が良いんじゃないか?」
「まぁ…そんなに急ぐこともないが…
そういえば、クロワさんとか言ったか、あの人ともう一人は放っておいて良いのか?」
「クロワさんはどうせ陽が暮れるまでやめないだろうから、好きにさせてやれば良いんだ。
先生も一緒だし、心配はいらないよ。」
「そういえば、あんたらはあの人を先生と呼んでるようじゃが、あの人は何の先生なんだね?」
「あぁ、あの人は医者だよ。」
「そうか、医者か…」
老人は感心したように何度か頷き、その間にリュックはいっぱいになったかごを背中に背負った。
「さ、帰ろうぜ。」
「変わったこと…?どんなことじゃ?」
「う~ん…たとえば、人が殺されたことがあったとか……何か事件や事故みたいなものだな。」
「殺人事件じゃと!?
この街は平和な街じゃ。
そりゃあ、まぁ、酔った者同士の喧嘩くらいはあったが、死人が出たことなんぞ一度もない。」
老人は、きっぱりとした口調でそう言うと大きく首を振った。
「そうか~…じゃあ、大きな事故なんかもなかったか?」
「ないな。
……あ、昔、一度だけとても大きな台風はあったぞ。
あの時は潰れた家もあったくらいでな。」
「死人は出たのか?」
老人は、怪訝な表情をリュックに向けた。
「なんじゃ、あんた、さっきから死人、死人って…おかしなことを聞くのう。」
「い、いや、その台風のことは隣町でも聞いたけど、そんな大きな台風なら死人も出たんじゃないかってふとそんなことを思っただけだ。」
老人の視線を避けながら、リュックはそう言うと、水筒のお茶をぐいっと飲んだ。
「……そういえば、確か、飛んできた屋根だったかなんだったかで頭を打って大怪我をした人がいたが…
あれは、雑貨屋のおやじだったかいのう…
だが、死にはせんじゃったぞ。」
「そ、そうか、それは良かったな。
……あ、爺さん、山菜は夕飯に使うんだろ?
そろそろ運んだ方が良いんじゃないか?」
「まぁ…そんなに急ぐこともないが…
そういえば、クロワさんとか言ったか、あの人ともう一人は放っておいて良いのか?」
「クロワさんはどうせ陽が暮れるまでやめないだろうから、好きにさせてやれば良いんだ。
先生も一緒だし、心配はいらないよ。」
「そういえば、あんたらはあの人を先生と呼んでるようじゃが、あの人は何の先生なんだね?」
「あぁ、あの人は医者だよ。」
「そうか、医者か…」
老人は感心したように何度か頷き、その間にリュックはいっぱいになったかごを背中に背負った。
「さ、帰ろうぜ。」
0
あなたにおすすめの小説
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
お隣さんはヤのつくご職業
古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。
残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。
元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。
……え、ちゃんとしたもん食え?
ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!!
ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ
建築基準法と物理法則なんて知りません
登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。
2020/5/26 完結
悪役令嬢は手加減無しに復讐する
田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。
理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。
婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
譚音アルン
ファンタジー
ブラック企業に勤めてたのがいつの間にか死んでたっぽい。気がつくと異世界の伯爵令嬢(第五子で三女)に転生していた。前世働き過ぎだったから今世はニートになろう、そう決めた私ことマリアージュ・キャンディの奮闘記。
※この小説はフィクションです。実在の国や人物、団体などとは関係ありません。
※2020-01-16より執筆開始。
2月31日 ~少しずれている世界~
希花 紀歩
恋愛
プロポーズ予定日に彼氏と親友に裏切られた・・・はずだった
4年に一度やってくる2月29日の誕生日。
日付が変わる瞬間大好きな王子様系彼氏にプロポーズされるはずだった私。
でも彼に告げられたのは結婚の申し込みではなく、別れの言葉だった。
私の親友と結婚するという彼を泊まっていた高級ホテルに置いて自宅に帰り、お酒を浴びるように飲んだ最悪の誕生日。
翌朝。仕事に行こうと目を覚ました私の隣に寝ていたのは別れたはずの彼氏だった。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる