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043 : 雪の街
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「ここからの景色は素晴らしいですよ!」
そう言って、クロワは私達に場所を明け渡してくれた。
目の前に広がる風景は、まさに格別のものだった。
白という色が、これほど際だって美しい色だと感じたのは初めてだ。
街並みを覆い尽くすほどの白…
天から地上を見下ろしたら、天使はきっとこの街に舞い降りたいと思うのではないかと、柄にもなくそんなロマンチックなことを想像してしまう程だった。
「あ、あんな所に川があったんだな。」
「あの川のほとりを遡って行くと、隣町に出るんじゃ。
街道を行くより、ずっと近道なんじゃよ。」
「へぇ、そうなのか。
先に知ってたら、そっちから来たのにな。」
「まぁ、大概の旅人は気付かんからな。
あの道を使うのはここと隣町の者くらいじゃよ。
旅人がもっと知っててくれたら、うちの宿屋ももっと繁盛するんじゃがな。」
山頂で景色を眺めた後、私達はその場で少し早めの昼食を広げた。
クロワはここに登って来るまでにみかけた薬草のことで、すでに頭が一杯になっているようだった。
「でも、特別珍しい薬草はみかけなかったわ。」
「このあたりは皆が登る場所じゃからな、あるとしたらこういう場所じゃないだろうな。」
老人の言う通り、昼食を広げている間に恋人同士か夫婦と思われる若い男女と、中年の男性が山頂に登って来た。
「じゃ、そろそろ、下りるとするか。」
私達はもう一度、眼下に広がる魅惑的な景色を堪能し、山を下りた。
クロワにはクロードが付き添い、私達は老人に山菜摘みを手伝わせてほしいと申し出た。
それは、もちろん、この街について…ひいては私とリュックが夢に見たあの女性のことを聞きこむ口実だった。
「おっ!すごいな!
ここらは本当に山菜の宝庫だな!」
「ええか、むやみに採っちゃいかんぞ。
触るだけでも毒がまわる危険なものもあるからな。
わしが安全なもの採ってみせるから、それだけを採っておくれ。」
リュックはなにか言いたげだったが、私の方を向いて渋い顔で頷いて見せた。
無駄な反論をしない方が良いとわかってくれたのだろう。
私達は老人の言うままに、指示された山菜を採りにかかった。
そう言って、クロワは私達に場所を明け渡してくれた。
目の前に広がる風景は、まさに格別のものだった。
白という色が、これほど際だって美しい色だと感じたのは初めてだ。
街並みを覆い尽くすほどの白…
天から地上を見下ろしたら、天使はきっとこの街に舞い降りたいと思うのではないかと、柄にもなくそんなロマンチックなことを想像してしまう程だった。
「あ、あんな所に川があったんだな。」
「あの川のほとりを遡って行くと、隣町に出るんじゃ。
街道を行くより、ずっと近道なんじゃよ。」
「へぇ、そうなのか。
先に知ってたら、そっちから来たのにな。」
「まぁ、大概の旅人は気付かんからな。
あの道を使うのはここと隣町の者くらいじゃよ。
旅人がもっと知っててくれたら、うちの宿屋ももっと繁盛するんじゃがな。」
山頂で景色を眺めた後、私達はその場で少し早めの昼食を広げた。
クロワはここに登って来るまでにみかけた薬草のことで、すでに頭が一杯になっているようだった。
「でも、特別珍しい薬草はみかけなかったわ。」
「このあたりは皆が登る場所じゃからな、あるとしたらこういう場所じゃないだろうな。」
老人の言う通り、昼食を広げている間に恋人同士か夫婦と思われる若い男女と、中年の男性が山頂に登って来た。
「じゃ、そろそろ、下りるとするか。」
私達はもう一度、眼下に広がる魅惑的な景色を堪能し、山を下りた。
クロワにはクロードが付き添い、私達は老人に山菜摘みを手伝わせてほしいと申し出た。
それは、もちろん、この街について…ひいては私とリュックが夢に見たあの女性のことを聞きこむ口実だった。
「おっ!すごいな!
ここらは本当に山菜の宝庫だな!」
「ええか、むやみに採っちゃいかんぞ。
触るだけでも毒がまわる危険なものもあるからな。
わしが安全なもの採ってみせるから、それだけを採っておくれ。」
リュックはなにか言いたげだったが、私の方を向いて渋い顔で頷いて見せた。
無駄な反論をしない方が良いとわかってくれたのだろう。
私達は老人の言うままに、指示された山菜を採りにかかった。
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