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028 : 見えない真実
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「お、おい、しっかりしろよ!」
ピーターのあまりの悲しみように男は驚き、彼の背中を優しくさすった。
「悲しいのはわかるが、仕方のないことだったんだ。
アレクシス様の話では、ローブ様は、悪魔に心を操られ、破魔矢を引き抜きに行って、そこで階段から落ちて死んだということだった。
アレクシス様が言うには、ローブ様が完全に悪魔の手先になってしまわれるのを止めようとして神様がローブ様を階段から落とされたのだろうってことだったよ。
もしくは、途中で自分が悪魔に操られてることに気付いたローブ様が、自ら命を投げ出されたのだろうって…
全くお気の毒な話だよな。」
「おやまぁ、そうだったの!
私達は、神様の天罰が下って階段から落ちたんだって聞かされてましたよ。
そんなことだったとは…なんと、お気の毒な…」
「なんせ、暁の女王はまだ子供で純真だ。
そういう所に悪魔は付け入って悪さをするらしいぜ。」
「ち…ちがう…」
「……え?
今、何か言ったか?」
「ち…違うんだ!
そんなことは…嘘だ!!」
ピーターは、何度も何度も首を振りながら、叫ぶようにそう言った。
「違うって…何が違うんだ?」
縛られて手の動かせないピーターに代わり、ナタリーが彼の涙でいっぱいになった顔を拭った。
「本当はそんなことじゃない…ローブは何も悪くないんだ。
破魔矢を引き抜いたのは、僕なんだから…」
「なんだって?
馬鹿なことを言うなよ。
アレクシス様が言ってたぞ。
普通の者が破魔矢に手を触れたら、一瞬で真っ黒焦げになって死んじまうって。」
「うそだ…僕はこの通り、なんでもない。
僕はあの晩、破魔矢を引き抜きそれを屋敷に持って行ったんだ。
きっと、ローブは僕のことを気遣ってそれを元に戻そうとして悪魔の館に行って、それで…」
「ピーター、良いかい、よくお聞き。
あんたはあの日、遠い町に住むお祖父さんの所へ行ってたんだ。
そんなことが出来る道理がないんだよ。」
「そうじゃない!
僕はお祖父さんの所になんて行ってない!」
「でも、あんたが言ったんだよ。
お祖父さんの具合が悪そうだったから、心配で見に行ってたって…」
「だからそれが嘘なんだ!
僕は、お祖父さんの所になんて行ってないんだ!」
乾いたばかりのピーターの頬を、熱い涙が再び濡らした。
ピーターのあまりの悲しみように男は驚き、彼の背中を優しくさすった。
「悲しいのはわかるが、仕方のないことだったんだ。
アレクシス様の話では、ローブ様は、悪魔に心を操られ、破魔矢を引き抜きに行って、そこで階段から落ちて死んだということだった。
アレクシス様が言うには、ローブ様が完全に悪魔の手先になってしまわれるのを止めようとして神様がローブ様を階段から落とされたのだろうってことだったよ。
もしくは、途中で自分が悪魔に操られてることに気付いたローブ様が、自ら命を投げ出されたのだろうって…
全くお気の毒な話だよな。」
「おやまぁ、そうだったの!
私達は、神様の天罰が下って階段から落ちたんだって聞かされてましたよ。
そんなことだったとは…なんと、お気の毒な…」
「なんせ、暁の女王はまだ子供で純真だ。
そういう所に悪魔は付け入って悪さをするらしいぜ。」
「ち…ちがう…」
「……え?
今、何か言ったか?」
「ち…違うんだ!
そんなことは…嘘だ!!」
ピーターは、何度も何度も首を振りながら、叫ぶようにそう言った。
「違うって…何が違うんだ?」
縛られて手の動かせないピーターに代わり、ナタリーが彼の涙でいっぱいになった顔を拭った。
「本当はそんなことじゃない…ローブは何も悪くないんだ。
破魔矢を引き抜いたのは、僕なんだから…」
「なんだって?
馬鹿なことを言うなよ。
アレクシス様が言ってたぞ。
普通の者が破魔矢に手を触れたら、一瞬で真っ黒焦げになって死んじまうって。」
「うそだ…僕はこの通り、なんでもない。
僕はあの晩、破魔矢を引き抜きそれを屋敷に持って行ったんだ。
きっと、ローブは僕のことを気遣ってそれを元に戻そうとして悪魔の館に行って、それで…」
「ピーター、良いかい、よくお聞き。
あんたはあの日、遠い町に住むお祖父さんの所へ行ってたんだ。
そんなことが出来る道理がないんだよ。」
「そうじゃない!
僕はお祖父さんの所になんて行ってない!」
「でも、あんたが言ったんだよ。
お祖父さんの具合が悪そうだったから、心配で見に行ってたって…」
「だからそれが嘘なんだ!
僕は、お祖父さんの所になんて行ってないんだ!」
乾いたばかりのピーターの頬を、熱い涙が再び濡らした。
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