128 / 389
028 : 見えない真実
3
しおりを挟む
真っ暗な通路の壁に片手を付け、以前、ただ一度だけ来た時のことを思い出しながらローブは足早に進んで行った。
ありったけの勇気を振り絞り、必死に唇を噛み締めて、泣き出しそうになるのをローブは堪えた。
(頑張って、ローブ!
あと少し…あと少しなのよ!)
懸命に自分自身を奮い立たせながら、ローブは真っ直ぐな通路を歩き続けた。
しばらく進むと壁の感触が変わり、ローブはそこが地下に下りる階段の前だということに気が付いた。
(あと少しよ!
この階段を降りて、この矢を突き立てればそれで終わり…!)
そう思うと、ローブの心の緊張がほんの少し解れた。
恐る恐る足を伸ばすと、そこにはローブの思った通り、階段があった。
(やっぱりここが階段だわ!もう少しで終わる!頑張るのよ、ローブ!)
ローブは、この辛く怖ろしい作業を早く終わらせようと足を速める…
その時、悲劇は起こった…
「きゃあああああ~~~~!!」
ローブの濡れた靴が階段の上で滑り、一瞬にしてローブの身体はバランスを崩した。
その瞬間、誰もいない館の中に、ローブの甲高い声がこだまする…
ローブの身体は、固い石の階段に何度も打ちつけられながら、弾み、転がり落ちて行った。
その身体が地下に叩き付けられ、転がるのが止まった時…ローブの命の灯火もまた燃え尽きようとしていた…
(ここまで来たのに…
ごめんなさい…ピーター…
母さん…父さ…)
ローブの脳裏に愛しい人々の懐かしい顔が浮かんでは消える…
もはや、自分の身体に立ちあがる力が残っていない事をローブは悟った。
それでもなお必死でその腕を差し伸ばそうとして…
暁の女王・ローブは、暗い地下の中、たった一人でその短い生涯を閉じた…
ありったけの勇気を振り絞り、必死に唇を噛み締めて、泣き出しそうになるのをローブは堪えた。
(頑張って、ローブ!
あと少し…あと少しなのよ!)
懸命に自分自身を奮い立たせながら、ローブは真っ直ぐな通路を歩き続けた。
しばらく進むと壁の感触が変わり、ローブはそこが地下に下りる階段の前だということに気が付いた。
(あと少しよ!
この階段を降りて、この矢を突き立てればそれで終わり…!)
そう思うと、ローブの心の緊張がほんの少し解れた。
恐る恐る足を伸ばすと、そこにはローブの思った通り、階段があった。
(やっぱりここが階段だわ!もう少しで終わる!頑張るのよ、ローブ!)
ローブは、この辛く怖ろしい作業を早く終わらせようと足を速める…
その時、悲劇は起こった…
「きゃあああああ~~~~!!」
ローブの濡れた靴が階段の上で滑り、一瞬にしてローブの身体はバランスを崩した。
その瞬間、誰もいない館の中に、ローブの甲高い声がこだまする…
ローブの身体は、固い石の階段に何度も打ちつけられながら、弾み、転がり落ちて行った。
その身体が地下に叩き付けられ、転がるのが止まった時…ローブの命の灯火もまた燃え尽きようとしていた…
(ここまで来たのに…
ごめんなさい…ピーター…
母さん…父さ…)
ローブの脳裏に愛しい人々の懐かしい顔が浮かんでは消える…
もはや、自分の身体に立ちあがる力が残っていない事をローブは悟った。
それでもなお必死でその腕を差し伸ばそうとして…
暁の女王・ローブは、暗い地下の中、たった一人でその短い生涯を閉じた…
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる