お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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003 : 障害と剣

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「おぉ、これは見事な木馬じゃのう。」

ルイスは私が抱えた木馬を見るなリ、そう呟いた。
 家族に揃って気に入られるとは、たいした木馬だ。
 私達が屋敷に戻ったのはもう夕食も終わった頃で、クロワ達はすでに母家にはいなかった。



 「遅くまで大変だったな。
 腹が減っただろう。
おまえ達の分もクロワさんがちゃんと作ってくれてるから早く食べなさい。」

 「ありがとうございます。」

テレーズがすぐに料理を運んで来てくれた。



 診察が終わってから、テレーズとマノンは気の浮かない顔をしてほとんど話すことはなかった。
ついにマノンが妊娠していないことがバレたのだから、それも当然のことだ。
 今後のことについてマノンと少し打ち合わせをしておきたかったのだが、狭い馬車の中ではそれも難しい。
しかも、疲れが出たのか、帰りはマノンもテレーズも眠っていた。
 私だけ起きていても仕方がないと思うと、いつの間にか私ももうとうとしてしまっていた。



 「……買い物はこれでだいたいすんだんだな?
マノン、ヴェールは気に入ったか?」

 「ええ…とても素晴らしいものでした。」

 「そうか、それは良かった。
 遠くまで行った甲斐があったというもんだ。
……マノン、どうした?疲れたのか?」

 「ええ…」

 「そうか、今夜は早めに休んだ方がええな。
それで、子供の状態はどうだったんじゃ?」

 「それが…」

テレーズが言いかけ、マノンの顔をみつめた。
ついに、最悪の時がやってきた。
 私は、食べているものが喉に詰まりそうに感じた。



 「どうかしたのか?」

 「それが…少し、発育が悪いようです。
 先生にはもっと十分に栄養を採らないといけないと言われました。
それにもしかしたら逆子の可能性があるとのことで…」

 「それはいかんのう…
どうする?
 先生にずっとこっちに来てもらうわけにはいかんし、マノンが通うのも大変だ。
あの町にしばらく住むか?」

 「それで私も悩んでたんですよ。
どうしましょう?
マノンはあの町に住むのはいやだっていうし…」

テレーズとルイスの会話が、私は一瞬理解出来なかった。
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