お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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003 : 障害と剣

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「ところが…」

 「そうだ!マノンさん。」

マノンの話をリュックが突然遮った。



 「どうしたんですか?」

 「話の途中だが、時間は大丈夫か?
あんたの帰りが遅くなったら、おやじさんが心配するんじゃないか?」

 「え…?!」

マノンは時計を見て、立ちあがった。



 「大変だわ。
どうしましょう。」

 「とにかく明日の準備をして、早く帰ろう。
そして、続きはうちで聞くことにしよう。
マノンさん、おやじさんが眠ってから離れに来られるよな?」

 「ええ…」

 「じゃあ、俺は何をすれば良い?」

 「それなら、ちょっと片付ける程度で大丈夫ですから、すぐにすみます。
いつもここへ来てたのは、リカールと会うためですから…」

マノンは頬を染めながらそう呟き、テーブルの上を拭いていた。



 「あ…なるほどな…」

リュックは箒をもって、適当に床を掃除すると、三人は店を後にした。



 「私は、少し時間を空けて行きます。」

 「わかった。俺は門のあたりで待ってるよ。」

リカールは、町の者に顔を見られないように頭巾で隠し、二人と離れた。
 屋敷に着くと、リュックはわざわざ母家にマノンを送り届けた。



 「じゃあ、マノンさん、また明日な!」

 「ええ、リュックさん、遅くまでお疲れ様でした。」

 「なんじゃ、マノン、仕込みまで手伝ってもらったのか?」

 「俺が勝手に行ったんだよ。
ま、俺は料理なんて出来ないから、店の掃除や片付けをしてただけだけどな。」

 「そうか、そうか。
マノン、良かったな。
リュックは本当に気の利く働き者じゃから、おまえも助かるな。
 感謝せんといかんぞ。」

 「ええ、父さん。」

 「俺は従業員なんだから働くのは当たり前のことさ。
じゃあ、爺さん、マノンさん、おやすみ!」

 「おやすみ。」



 「さてと…」

 母家を離れたリュックは、門の付近でリカールを待つ。



 「あ、こっちだ!」

しばらくしてやって来たリカールを、リュックは素早く離れに案内した。



 「誰にも見られなかったか?」

 「ええ、多分、大丈夫だと思います。」

 「そうか、良かった。
 俺の部屋はこっちだ。」

リュックは、リカールを連れて部屋へ戻った。

 
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