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002 : 雷が鳴る前に
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「リカール?なんだ、そりゃ?」
「剣士なんじゃ。
まるで、俳優みたいに綺麗な顔をしとるのに、その剣の腕前はそりゃあもうすごいもんでな。
リカールを目当てにやって来る観客と、そんなリカールに嫉妬した男達が押し寄せるようになってな。
そのおかげでこんな立派な小屋が出来たってわけさ。」
「へぇ…相当すごい奴なんだな。
見るのが楽しみだな!
そういや、今は催し物はないとか言ってたがあれはどういうことなんだ?」
「ここはまだ開場してはおらんのじゃ。
来週から開く予定なんじゃが、まだここの人手が集まらない状態じゃから、少し遅れるかもしれんな!」
「人手?
そうだ!じいさん!
こういうとこだったら、医者がいるんじゃないのか?
怪我人がしょっちゅう出るんだろ?」
「怪我人は、この町の診療所に運んでるが、そりゃあいたら便利は便利じゃな。」
「実は、この人、医者なんだ!」
「なんと!
それじゃあ、ちょっとこっちへ来ておくれ!」
老人は、私達をステージの裏へ案内した。
裏は、出場者達の控え室なのだろうか、いくつかのドアがあり、そのうちの一つの部屋の前には数人の人々が並んでいた。
「こっちじゃ。」
老人は人々が立ち並ぶ部屋の扉を開いた。
「おいおい、爺さん、良いのか?勝手に入って…」
「あぁ、良いんじゃ。
ハンク、ちょっと良いか?」
「あぁ、兄さん、なんだ?」
「実は、この人がな…」
この部屋にいた男性と老人は兄弟だということが、その会話からわかった。
老人は、クロードのことをハンクと呼ばれる男性に話し、少し話をした後、あっさりとこの闘技場で勤めることが決まった。
「良かったな、先生!
こんなに早く勤め口が決まるなんてな。」
「ええ…リュックさんのおかげですよ。」
「俺はなにもしてないさ。
それより、爺さんがここのオーナーとは驚いたな!」
「別段、驚く事じゃないじゃろ。」
「オーナーがなんでモップなんて持ってるんだよ。」
「掃除はわしの趣味みたいなもんでな。」
「そうか、そりゃあ良い趣味だ。
ところで、さっきの人達はなにを待ってるんだ?」
「剣士なんじゃ。
まるで、俳優みたいに綺麗な顔をしとるのに、その剣の腕前はそりゃあもうすごいもんでな。
リカールを目当てにやって来る観客と、そんなリカールに嫉妬した男達が押し寄せるようになってな。
そのおかげでこんな立派な小屋が出来たってわけさ。」
「へぇ…相当すごい奴なんだな。
見るのが楽しみだな!
そういや、今は催し物はないとか言ってたがあれはどういうことなんだ?」
「ここはまだ開場してはおらんのじゃ。
来週から開く予定なんじゃが、まだここの人手が集まらない状態じゃから、少し遅れるかもしれんな!」
「人手?
そうだ!じいさん!
こういうとこだったら、医者がいるんじゃないのか?
怪我人がしょっちゅう出るんだろ?」
「怪我人は、この町の診療所に運んでるが、そりゃあいたら便利は便利じゃな。」
「実は、この人、医者なんだ!」
「なんと!
それじゃあ、ちょっとこっちへ来ておくれ!」
老人は、私達をステージの裏へ案内した。
裏は、出場者達の控え室なのだろうか、いくつかのドアがあり、そのうちの一つの部屋の前には数人の人々が並んでいた。
「こっちじゃ。」
老人は人々が立ち並ぶ部屋の扉を開いた。
「おいおい、爺さん、良いのか?勝手に入って…」
「あぁ、良いんじゃ。
ハンク、ちょっと良いか?」
「あぁ、兄さん、なんだ?」
「実は、この人がな…」
この部屋にいた男性と老人は兄弟だということが、その会話からわかった。
老人は、クロードのことをハンクと呼ばれる男性に話し、少し話をした後、あっさりとこの闘技場で勤めることが決まった。
「良かったな、先生!
こんなに早く勤め口が決まるなんてな。」
「ええ…リュックさんのおかげですよ。」
「俺はなにもしてないさ。
それより、爺さんがここのオーナーとは驚いたな!」
「別段、驚く事じゃないじゃろ。」
「オーナーがなんでモップなんて持ってるんだよ。」
「掃除はわしの趣味みたいなもんでな。」
「そうか、そりゃあ良い趣味だ。
ところで、さっきの人達はなにを待ってるんだ?」
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