お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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001 : ささやかな祈り

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 「お~~い!」

 「あ!リュックだわ!ここよ~!」



 月灯かりがあるので大丈夫だろうとたかをくくっていたのだが、あたりは意外にも暗かった。
クロワ達のランプの灯かりがなければ、彼女達がどこにいるのかもわからなかったかもしれない。



 「やっと追いついた!」

 「もうっ!リュックったら、どこに行ってたの?」

 「マルタンの誓いが気になって、こっそり見に行ってたんだ。」

クロードはその言葉にくすくすと笑っていた。



 「先生、どうしたんだよ。」

 「いえ…なんでもないんです。」

 「やっぱり先生のおっしゃった通りだったのね…
それで、マルタンさんの誓いは聞けたの?」

 「それが、リュックが来たのは一足遅かったんです。」

 「そうなんだ。だから、結局はわからず仕舞いなんだ。」

 「それは残念だったわね。」

きっとこのことを聞かれると思い、あらかじめ、リュックとは口裏を合わせておいたのだ。
クロワのことを誓った等とは言えないのだから…



「マルタンさん、僕にはあなたの誓いがわかってますよ。」

 「そうですか…」

 「きっとあなたなら大丈夫ですよ。」

 「ありがとうございます。先生。」

クロードが何のことを言ってるのかはわからなかったが、本当のことがわかるわけはない。
なんでも好きなように考えてもらえば良い。
 私は特に肯定も否定もしないでおくことにした。



 宿に着いた頃にはもう夜明けも近い時間になっていたため、私達はそのまますぐに眠りに就いた。



 「それで、これからはどこへ行かれるんですか?」

 次の日の朝食の場で、これからの行き先についての話し合いがなされた。



 「そうだなぁ…
いつも行き当たりばったりだもんな。」

 「いつもはどういう風に行き先を決めてらっしゃるんですか?」

 「だから、たいていは行き当たりばったりなんだよ。
 何か面白い話があればそっちに行くし、後は、金がなくなったらちょっと大きな町に滞在して金を稼ぐ…
そうだ!そろそろ金を稼がないといけない頃だから、やっぱり次は大きな町が良いんじゃないか?」

 「そうね。
 大きな町というと…」

クロワはテーブルの上に地図を広げた。 
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