49 / 53
49
しおりを挟む
「誕生日がどうかしたの?」
「どうかって、恵理子…
義父の俺が、娘の陽より年下だったら、なんか嫌じゃないか。」
同い年のくせにつまらないことを考える樹に、笑みが零れた。
「あ、そうだ!樹はこの子が産まれたら、『じいじ』になるんだよ。」
「えーーーっ!」
樹の驚きように、私も陽も大笑いだ。
(20代で『じいじ』はあまりに可哀想よね。)
そんなことを思ってたら、なんだか急に気分が悪くなって来て…
「恵理子…どうかした?」
「ちょっと……」
私は部屋を出て、トイレに駆け込んだ。
もしかしたら、苦手なイカを無理して食べたせいかもしれない。
「大丈夫だった?まだ顔色が悪いよ。」
「大丈夫よ。多分、イカだと思う。」
「今日は樹に泊まってもらったら?」
「もう大丈夫だってば。」
「いや、今日は泊まる!」
「もうっ!嬉しそうな顔しちゃって。」
冷やかされた樹は、Vサインを出しておどける。
結局、樹はうちに泊まることになった。
なんだか照れ臭くて、帰り道は口数が少なくなった。
「どうした?まだ気分が悪い?」
「ううん、もう大丈夫。」
一言話しては沈黙が流れる。
「どうかって、恵理子…
義父の俺が、娘の陽より年下だったら、なんか嫌じゃないか。」
同い年のくせにつまらないことを考える樹に、笑みが零れた。
「あ、そうだ!樹はこの子が産まれたら、『じいじ』になるんだよ。」
「えーーーっ!」
樹の驚きように、私も陽も大笑いだ。
(20代で『じいじ』はあまりに可哀想よね。)
そんなことを思ってたら、なんだか急に気分が悪くなって来て…
「恵理子…どうかした?」
「ちょっと……」
私は部屋を出て、トイレに駆け込んだ。
もしかしたら、苦手なイカを無理して食べたせいかもしれない。
「大丈夫だった?まだ顔色が悪いよ。」
「大丈夫よ。多分、イカだと思う。」
「今日は樹に泊まってもらったら?」
「もう大丈夫だってば。」
「いや、今日は泊まる!」
「もうっ!嬉しそうな顔しちゃって。」
冷やかされた樹は、Vサインを出しておどける。
結局、樹はうちに泊まることになった。
なんだか照れ臭くて、帰り道は口数が少なくなった。
「どうした?まだ気分が悪い?」
「ううん、もう大丈夫。」
一言話しては沈黙が流れる。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる
春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。
幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……?
幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。
2024.03.06
イラスト:雪緒さま
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
【完結】婚約者が好きなのです
maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。
でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。
冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。
彼の幼馴染だ。
そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。
私はどうすればいいのだろうか。
全34話(番外編含む)
※他サイトにも投稿しております
※1話〜4話までは文字数多めです
注)感想欄は全話読んでから閲覧ください(汗)
私の好きなひとは、私の親友と付き合うそうです。失恋ついでにネイルサロンに行ってみたら、生まれ変わったみたいに幸せになりました。
石河 翠
恋愛
長年好きだった片思い相手を、あっさり親友にとられた主人公。
失恋して落ち込んでいた彼女は、偶然の出会いにより、ネイルサロンに足を踏み入れる。
ネイルの力により、前向きになる主人公。さらにイケメン店長とやりとりを重ねるうち、少しずつ自分の気持ちを周囲に伝えていけるようになる。やがて、親友との決別を経て、店長への気持ちを自覚する。
店長との約束を守るためにも、自分の気持ちに正直でありたい。フラれる覚悟で店長に告白をすると、思いがけず甘いキスが返ってきて……。
自分に自信が持てない不器用で真面目なヒロインと、ヒロインに一目惚れしていた、実は執着心の高いヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、エブリスタ及び小説家になろうにも投稿しております。
扉絵はphoto ACさまよりお借りしております。
平凡令嬢の婚活事情〜あの人だけは、絶対ナイから!〜
本見りん
恋愛
「……だから、ミランダは無理だって!!」
王立学園に通う、ミランダ シュミット伯爵令嬢17歳。
偶然通りかかった学園の裏庭でミランダ本人がここにいるとも知らず噂しているのはこの学園の貴族令息たち。
……彼らは、決して『高嶺の花ミランダ』として噂している訳ではない。
それは、ミランダが『平凡令嬢』だから。
いつからか『平凡令嬢』と噂されるようになっていたミランダ。『絶賛婚約者募集中』の彼女にはかなり不利な状況。
チラリと向こうを見てみれば、1人の女子生徒に3人の男子学生が。あちらも良くない噂の方々。
……ミランダは、『あの人達だけはナイ!』と思っていだのだが……。
3万字少しの短編です。『完結保証』『ハッピーエンド』です!
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない
絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる