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「ありがとう。陽のおかげだな。」

「感謝してよね。」

私の涙はようやく止まり、三人で、ケーキをつつきながらコーヒーを飲んだ。



「もちろんだ。本当にありがとう。」

「樹がわかりやす過ぎたからね。」

「え?」

「私といても、恵理子さんの話ばかり。
それもすごく嬉しそうな顔をして。
恵理子さんが好きなこと、バレバレだったよ。」

「え、そうだっけ?」

「そうだよ。それと、バイト仲間から、樹と恵理子さんが良く一緒にいたって聞いた。
その人達はふたりのこと気付いてないみたいだったけど、私はすぐにピンと来たからね。」

「妊娠したって聞いた時はびっくりしたわ。」

「二人に騙されてたんだから、私もちょっと意地悪したくなったんだ。当然でしょ?
あ、今日のごはんも樹のおごりだからね!」

「わかってるよ。」

いろんなことがあったけど、陽のおかげで、丸くおさまることが出来た。



これから先、まだまだ問題はありそうだけど、樹と一緒なら乗り越えられそうな気がする。



「あ、そうそう。妊娠してるのは本当だからね。」

「えっ!」
「えっ!」

私と樹の声が重なった。



「どういうことなの!?」

「お、俺は何もしてないぞ!」

私達の様子に、陽は声を上げて笑った。
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