秘密のカレはV(ヴィジュアル)系

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
上 下
180 / 201
side 瑠威

しおりを挟む




「遅かったのね。またレコード会社の人と話し合いだったの?」

「いや、今日はまた別の用事…」

「そう……」

昨日、あんなことがあったっていうのにまるで何もなかったみたいな会話…
でも、このままってわけにもいかない。
やっぱり、昨日のことは話さないと…



「あ、あのさ。」
「あのね…」



俺とかおりの声が重なった。



「あ、ごめん…何?」

「瑠威から言って。」

「え…?あ…うん。
あの…蒸し返すみたいで悪いんだけど…」

「昨日のことね?」

「あぁ…話さないわけには…いかないよな?」

「……そうよね。」

俺達は、ソファーに並んで腰かけた。



「昨日は本当にごめんなさい。」

「何もかおりが謝ることないだろ?」

「あるわ…私……嘘を吐いてたから…」

「……嘘?」

かおりは深く頷いた。



「今日ね、望結にも言われたの。
瑠威とちゃんと話すようにって。
あの子にも、昨日のこと、話したわ。」

「そう…」

そして、かおりは話してくれた。
なにもかも…



俺のためを思って、俺のために身を引こうとしてたこと…



俺は危うく、かおりのそんな嘘に惑わされてしまうところだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

結婚5年目の仮面夫婦ですが、そろそろ限界のようです!?

宮永レン
恋愛
 没落したアルブレヒト伯爵家を援助すると声をかけてきたのは、成り上がり貴族と呼ばれるヴィルジール・シリングス子爵。援助の条件とは一人娘のミネットを妻にすること。  ミネットは形だけの結婚を申し出るが、ヴィルジールからは仕事に支障が出ると困るので外では仲の良い夫婦を演じてほしいと告げられる。  仮面夫婦としての生活を続けるうちに二人の心には変化が生まれるが……

ステレオタイプ ーどこにもいない、普通の私

泣村健汰
恋愛
友野和葉は、どこにでもいるような、ごく普通の女子高生。 ある日彼女はふとしたきっかけで、普段交流する事の無かったクラスメートの男子に、転びそうになった所をぶっきらぼうに助けてもらう。 彼の名は大藤玲央。 教室の中でも、殆どの時間をヘッドホンをつけて過ごし、長く伸ばした前髪で表情が読めずにいるような、和葉達から見れば、変わり者で、近寄りがたい男の子。 そんなある時、和葉は姉の久喜子の存在がきっかけで、学校では言えない彼の秘密を知る事になる。 秘密を共有する事になった彼の存在を、和葉は少なからず意識するようになってしまう。だが、彼の目線の先に入るのは……。 どこにでもありそうな初恋の話。だけど世界中のどこを探しても、同じ恋は一つとして無い。 そう、どこにでもいる女の子なんて、本当はどこにもいない……。 ※この作品は『小説家になろう』様、『カクヨム』様でも、掲載しております。

バイバイ、旦那様。【本編完結済】

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
妻シャノンが屋敷を出て行ったお話。 この作品はフィクションです。 作者独自の世界観です。ご了承ください。 7/31 お話の至らぬところを少し訂正させていただきました。 申し訳ありません。大筋に変更はありません。 8/1 追加話を公開させていただきます。 リクエストしてくださった皆様、ありがとうございます。 調子に乗って書いてしまいました。 この後もちょこちょこ追加話を公開予定です。 甘いです(個人比)。嫌いな方はお避け下さい。 ※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後

空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。 魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。 そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。 すると、キースの態度が豹変して……?

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

愛しのカレはV(ヴィジュアル)系

ルカ(聖夜月ルカ)
恋愛
私が好きになったのは、パパ(?)と同じVisual系のバンドマン! 「秘密のカレはV(ヴィジュアル)系」の続編です。 今回は、かおりの娘・望結のお話です。 ※表紙はリカオ様に描いていただきました。

婚約破棄したので、元の自分に戻ります

しあ
恋愛
この国の王子の誕生日パーティで、私の婚約者であるショーン=ブリガルドは見知らぬ女の子をパートナーにしていた。 そして、ショーンはこう言った。 「可愛げのないお前が悪いんだから!お前みたいな地味で不細工なやつと結婚なんて悪夢だ!今すぐ婚約を破棄してくれ!」 王子の誕生日パーティで何してるんだ…。と呆れるけど、こんな大勢の前で婚約破棄を要求してくれてありがとうございます。 今すぐ婚約破棄して本来の自分の姿に戻ります!

月不知のセレネー

海獺屋ぼの
ライト文芸
音楽レーベル株式会社ニンヒアの企画部に所属する春川陽子はある日突然に新創設部署「クリエイター発掘部」の部長代理を任されることになった。 彼女に与えられた使命は二人の盲目のクリエイターのマネジメント。 苦労しながらも陽子は彼らと一緒に成長していくのだった。 ボカロPと異世界転生モノ作家の二人がある楽曲を作り上げるまでの物語。

処理中です...