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side 瑠威
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「かんぱーい!」
「お疲れ~!」
行きつけの飲み屋の個室で、俺たちのささやかな打ち上げが始まった。
今日の客はノリも良かったし、そのせいもあって俺も完全燃焼出来た。
今夜の酒は格別にうまく感じる。
「新曲もうまくいったな。
やっぱりあのリフに変更して正解だったな。」
「確かに…
ケインの言った通りだったな。」
うちのバンドは真面目だとよく言われる。
ライブの後につい反省会みたいな会話が出て来るからだ。
だけど、そんな話が全く出ない方が考えられない。
俺たちはただの楽しみだけでライブをやってるわけじゃないんだから。
「クロウの新しいベース、良いよな。
音の響きが半端ない。
あれ高かったんだろう?」
クロウは、片方の口端を上げて小さく笑う。
「ちょっと響きすぎじゃないかな?」
「いや、俺は良いと思うぜ。
あ、かおり…からあげ食べたい。」
隣に座ってたかおりが、小皿にからあげを取って俺の前に置いてくれた。
メンバーだけの時は、かおりと隣同士にすわることも、ちょっとくらいいちゃいちゃすることも気を遣わずに済む。
他のバンドのメンバーがいる時はこうはいかない。
「お疲れ~!」
行きつけの飲み屋の個室で、俺たちのささやかな打ち上げが始まった。
今日の客はノリも良かったし、そのせいもあって俺も完全燃焼出来た。
今夜の酒は格別にうまく感じる。
「新曲もうまくいったな。
やっぱりあのリフに変更して正解だったな。」
「確かに…
ケインの言った通りだったな。」
うちのバンドは真面目だとよく言われる。
ライブの後につい反省会みたいな会話が出て来るからだ。
だけど、そんな話が全く出ない方が考えられない。
俺たちはただの楽しみだけでライブをやってるわけじゃないんだから。
「クロウの新しいベース、良いよな。
音の響きが半端ない。
あれ高かったんだろう?」
クロウは、片方の口端を上げて小さく笑う。
「ちょっと響きすぎじゃないかな?」
「いや、俺は良いと思うぜ。
あ、かおり…からあげ食べたい。」
隣に座ってたかおりが、小皿にからあげを取って俺の前に置いてくれた。
メンバーだけの時は、かおりと隣同士にすわることも、ちょっとくらいいちゃいちゃすることも気を遣わずに済む。
他のバンドのメンバーがいる時はこうはいかない。
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