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*
「ステファン様、よくぞお戻りになられました!」
次の日、王子は自分の城に戻りました。
妃にするルシアンを連れて帰ったのはもちろんですが、メリッサはいまだ王子のことが諦めきれず、なんとか王子の気持ちを自分にむけようと勝手に着いて来たのです。
忠実な家来のハインリヒは、主君の無事な姿に涙を流して喜びました。
それと同時にぶちぶちとおかしな音がして、王子は何かとあたりを見まわしました。
それは、ハインリヒの胸から、三本のたががはずれた音でした。
ハインリヒは、王子がかえるにされてしまったことで胸がはりさけそうになり、それを押さえるために胸に三本のたがをはめていたということでした。
王子は、ハインリヒにこれまでのいきさつを話しました。
ハインリヒはルシアンの優しさの感動し、その反面、かえるのステファンを殺しかけたメリッサには激しい怒りを覚えました。
*
「ハインリヒさん。」
「はい、なんでしょう?」
ハインリヒがお城で馬車の手入れをしていると、そこにメリッサが現れ声をかけました。
「あなたはおかしいと思われませんか?
ルシアン姉様より私の方がずっと美しい。
ステファン様が人間に戻られたのも、私が金のまりを泉に落としたことがきっかけです。
それなのに、ステファン様は私ではなくルシアン姉様をお妃にしようとなさってます。
どうすれば、私に目を向けて下さるのかしら?」
「……それなら良い方法がございます。」
ハインリヒはそう言って、メリッサの胸に三本のたがをはめました。
メリッサは、王子の心を掴めるならばと、ハインリヒのすることにされるがままになっていました。
「さぁ、出来た。
これで、あなた様の胸はもう誰にも高鳴ることはございません。
一生、誰をも愛することなくお寂しい人生を過ごされるがよろしかろう。」
「そんな…!」
その瞬間から、メリッサは王子を見ても何も感じなくなりました。
ハインリヒは、どうしても王子を殺しかけたメリッサのことが許せなかったのです。
やがて、ステファン王子とルシアン姫はめでたくご結婚あそばし、メリッサはその数年後、寂しく修道院に入ったということでした。
~fin
「ステファン様、よくぞお戻りになられました!」
次の日、王子は自分の城に戻りました。
妃にするルシアンを連れて帰ったのはもちろんですが、メリッサはいまだ王子のことが諦めきれず、なんとか王子の気持ちを自分にむけようと勝手に着いて来たのです。
忠実な家来のハインリヒは、主君の無事な姿に涙を流して喜びました。
それと同時にぶちぶちとおかしな音がして、王子は何かとあたりを見まわしました。
それは、ハインリヒの胸から、三本のたががはずれた音でした。
ハインリヒは、王子がかえるにされてしまったことで胸がはりさけそうになり、それを押さえるために胸に三本のたがをはめていたということでした。
王子は、ハインリヒにこれまでのいきさつを話しました。
ハインリヒはルシアンの優しさの感動し、その反面、かえるのステファンを殺しかけたメリッサには激しい怒りを覚えました。
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「ハインリヒさん。」
「はい、なんでしょう?」
ハインリヒがお城で馬車の手入れをしていると、そこにメリッサが現れ声をかけました。
「あなたはおかしいと思われませんか?
ルシアン姉様より私の方がずっと美しい。
ステファン様が人間に戻られたのも、私が金のまりを泉に落としたことがきっかけです。
それなのに、ステファン様は私ではなくルシアン姉様をお妃にしようとなさってます。
どうすれば、私に目を向けて下さるのかしら?」
「……それなら良い方法がございます。」
ハインリヒはそう言って、メリッサの胸に三本のたがをはめました。
メリッサは、王子の心を掴めるならばと、ハインリヒのすることにされるがままになっていました。
「さぁ、出来た。
これで、あなた様の胸はもう誰にも高鳴ることはございません。
一生、誰をも愛することなくお寂しい人生を過ごされるがよろしかろう。」
「そんな…!」
その瞬間から、メリッサは王子を見ても何も感じなくなりました。
ハインリヒは、どうしても王子を殺しかけたメリッサのことが許せなかったのです。
やがて、ステファン王子とルシアン姫はめでたくご結婚あそばし、メリッサはその数年後、寂しく修道院に入ったということでした。
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