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ルカ(聖夜月ルカ)

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100. さぁ、旅に出よう!

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そうだ…!
父さんと母さんは同じベッドで寝てるんだ。
たいていの夫婦は同じベッドで…別々だとしても同じ部屋に寝てて…

…ってことは、俺の身体が夜中にちっちゃくなることもバレるんじゃないか?
いや、下手したら奥さんの下敷になってぺっちゃんこ…?!

俺は潰されてぺらぺらになった自分の姿を妄想して、血の気がひいてきた。
これはヤバイ…!!
なんとかしないと…!

バレたら離婚されるかもしれないし、ペラペラになるのもごめんだ!

その瞬間、俺はあの小人を探しに行くことを決意した!
少年達の間では、旅に出ることがある種流行りのようになってはいたが、それでも旅立つのは早くても15~6になってからの事だ。
今、俺が旅に出るっていっても、両親はきっと許してはくれない。
俺自身も今はまだ不安がいっぱいだ。

俺は次の日から、旅に出る準備を始めた。
近所の物知りじいさんの所に通って、薬草のこと、野草や魚のこと、そして小人の話を聞いた。
じいさんは小人のことをただの言い伝えだと思ってるようだったが、いろいろと役に立つ話を教えてくれた。
近所の畑の手伝いやちょっとした仕事をさせてもらってお金を貯め、父さんには護身術、母さんには家事を教えてもらった。
なんせ、旅に出たら何から何まで自分でやらなくちゃならないんだからな。

たいていの少年は長くても半年、短い奴は1ヶ月、下手すりゃ1週間位で帰って来るみたいだが、俺はあの小人をみつけるまでは絶対に帰らない覚悟だったから、そんなに早く帰れるわけがない。
そのためにもしっかりと準備をしとかないといけないと考えたんだ。

そして、15になってすぐ、俺は両親に旅に出たいと申し出た。
母さんはまだ早いって猛反対だったけど、父さんは俺がずっと前からいろいろと準備をしてたことも考えて、賛成してくれた。
そして、何日もかかって母さんを説得してくれたんだ。

もちろん、俺は小人のことも言わなかったし、この旅が長いものになるだろうってことも言わなかった。
そのことはちょっと申し訳ないと思ってるんだけど…

旅立つ日…母さんは俺にお守りとランチを手渡し、涙を浮かべてた…
父さんはなにも言わず、ただただ頷いていた。

そんな2人を見ていると俺も胸が熱く涙がこぼれそうになったから空を見上げた。
真っ青な空に浮かぶ白い雲を見つめながら、俺は、ついに町を出た…
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