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094. 理想郷
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「アナベル…理想郷を探すのです。」
「理想郷…ですか?」
お母様は、ゆっくりと頷かれました。
「あなたなら、きっとみつけられるはず…
なんとしても、理想郷を探すのです。
それと、これを……」
お母様は薬指にさした指輪を抜いて、私の前に差し出しました。
それは、お母様の家に代々伝わる大切な指輪です。
「お母様…これは……」
「もうこれしか残ってません。いざという時はこれを売って…」
「そんなこと、出来ません。」
「……良いのです。」
お母様は指輪を私の手の中に納めました。
「アナベル…どんな時も諦めてはいけませんよ。
あなたは、絶対に理想郷をみつけるのです。
そこに行くしか、生きられる道はないのですから…」
そうおっしゃったお母様の瞳は、とても哀しそうに見えました。
「理想郷…ですか?」
お母様は、ゆっくりと頷かれました。
「あなたなら、きっとみつけられるはず…
なんとしても、理想郷を探すのです。
それと、これを……」
お母様は薬指にさした指輪を抜いて、私の前に差し出しました。
それは、お母様の家に代々伝わる大切な指輪です。
「お母様…これは……」
「もうこれしか残ってません。いざという時はこれを売って…」
「そんなこと、出来ません。」
「……良いのです。」
お母様は指輪を私の手の中に納めました。
「アナベル…どんな時も諦めてはいけませんよ。
あなたは、絶対に理想郷をみつけるのです。
そこに行くしか、生きられる道はないのですから…」
そうおっしゃったお母様の瞳は、とても哀しそうに見えました。
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