Gift

088. 空想

４

＊＊＊



 「おめでとうございます！
 元気な男の子です。
ふたりとも、とても元気ですよ！」

 「えっ！？二人…？」

 「はい、お子さんは双子でした。
さぁ、どうぞ中へ。」



 （……ここは？）

 （新しい生まれ変わり先でさぁ。）

 （え？君は？）

 （坊っちゃん、あっしのことをお忘れですか？
あっしです。白猫のシュールでさぁ。
ご一緒するって言ったでしょうが。）

 （シュール！僕は、君と双子になったのかい？）

 （そういうことでさぁ！坊っちゃん、よろしく頼んます！）



 「リズ、可愛い天使を二人も産んでくれて、どうもありがとう！」

 「ねぇ、ロバート…赤ちゃんはどっちに似てる？」

 「君だね、目元なんか君にそっくりだよ！」



 （優しそうな両親で良かったでがす。）

 （本当だね…きっと僕達、幸せな人生を歩めるよね。
……あぁ、僕…なんだか急に眠くなって来たよ。）

 （あっしもでがす。あの世からこの世へ来たんですから疲れたんでしょうな。
 坊っちゃん、しばらく眠りましょう…）

 （……そうだね。）



 眠る度に、生まれる前の記憶はだんだんと薄くなっていく。
そんなことすらも忘れ、双子はすやすやと眠った。
 夢も見ず、ただただぐっすりと…