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086. 途方に暮れる
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「真澄さん!来たのねん!」
朝まで張りこんだ三人は、真澄さんが家を出なかったことで心底安堵し、晴れ晴れしい顔で真澄さんの家を訪れた。
「よく来たね。さぁ、入りたまえ!」
部屋の中には美しい花があちこちに飾られ、テーブルにはおいしそうな中華料理が並べられていた。
「うわぁ、おいしそうなのねん!」
「じゃあ、まずは乾杯だな!」
真澄さんがいかにも高級そうなシャンパンを持ち、その栓が景気の良い音と共に飛び跳ねた。
「メリー、誕生日おめでとう!」
「おめでとう!!」
乾杯が済むと、不意に部屋の明かりが消えた。
「どうしたのん?停電?」
「あれ?真澄さんは?」
「おかしいな…どうなったんだ?」
三人が、突然の停電に戸惑っていると、鼻をつく強烈な異臭と共にゆらゆら揺れるいくつかの明かりが部屋の中に入って来た。
「メリー、ハッピーバースディ!
これは、僕からのプレゼント。
手作りのバースディケーキだ!
さぁ、願い事をしながら蝋燭の炎を吹き消してくれたまえ!」
「うっ、げ、げほっっ!」
あまりの異臭に咳き込みながら、メリーは炎を吹き消した。
それと同時に、真澄さんが部屋の明かりのスイッチを入れ、三人の目に世にも恐ろしいバースディケーキが映し出された。
三人の全身が凍りつく。
「君が、昨夜食材をぶちまけたから、こんなシンプルなものになってしまったよ。」
真澄さんはそう言って苦笑いを浮かべた。
「ま…真澄さん、これって納豆なのねん?」
真っ白な生クリームのケーキの上に敷き詰められた茶色い粒粒…
それはどう見ても納豆だった。
「そうさ。本当はもっといろんなものをトッピングするつもりだったのに…」
そう言うと、真澄さんは悲しそうな顔をしてケーキをみつめた。
「なんか、納豆以外の臭いがするのは、俺の気のせいなのん?」
「あぁ、それなら、シュールストレミングだ。
ちょうどスウェーデンから取り寄せたものが家にあったから助かったよ。
さぁ、皆、遠慮しないで食べてくれ。」
真澄さんがケーキを切り分ける度に異臭はさらに激しさを増す…
メリーは、ついさっき蝋燭を吹き消す時に言った願い事を今一度呟いた。
(どうか、このケーキを食べずにすみますように…!!)
だが、メリーのその願いは叶う事はなかった…
その後の三人の運命は…言うまでもない…
朝まで張りこんだ三人は、真澄さんが家を出なかったことで心底安堵し、晴れ晴れしい顔で真澄さんの家を訪れた。
「よく来たね。さぁ、入りたまえ!」
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「うわぁ、おいしそうなのねん!」
「じゃあ、まずは乾杯だな!」
真澄さんがいかにも高級そうなシャンパンを持ち、その栓が景気の良い音と共に飛び跳ねた。
「メリー、誕生日おめでとう!」
「おめでとう!!」
乾杯が済むと、不意に部屋の明かりが消えた。
「どうしたのん?停電?」
「あれ?真澄さんは?」
「おかしいな…どうなったんだ?」
三人が、突然の停電に戸惑っていると、鼻をつく強烈な異臭と共にゆらゆら揺れるいくつかの明かりが部屋の中に入って来た。
「メリー、ハッピーバースディ!
これは、僕からのプレゼント。
手作りのバースディケーキだ!
さぁ、願い事をしながら蝋燭の炎を吹き消してくれたまえ!」
「うっ、げ、げほっっ!」
あまりの異臭に咳き込みながら、メリーは炎を吹き消した。
それと同時に、真澄さんが部屋の明かりのスイッチを入れ、三人の目に世にも恐ろしいバースディケーキが映し出された。
三人の全身が凍りつく。
「君が、昨夜食材をぶちまけたから、こんなシンプルなものになってしまったよ。」
真澄さんはそう言って苦笑いを浮かべた。
「ま…真澄さん、これって納豆なのねん?」
真っ白な生クリームのケーキの上に敷き詰められた茶色い粒粒…
それはどう見ても納豆だった。
「そうさ。本当はもっといろんなものをトッピングするつもりだったのに…」
そう言うと、真澄さんは悲しそうな顔をしてケーキをみつめた。
「なんか、納豆以外の臭いがするのは、俺の気のせいなのん?」
「あぁ、それなら、シュールストレミングだ。
ちょうどスウェーデンから取り寄せたものが家にあったから助かったよ。
さぁ、皆、遠慮しないで食べてくれ。」
真澄さんがケーキを切り分ける度に異臭はさらに激しさを増す…
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