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086. 途方に暮れる
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「良いよ。
そんなに気を遣わなくても…
料理は、中華のケータリングを頼んであるからね。」
「え…?ケータリング?
本当に?」
「本当だが…何か?
もしかして、中華は苦手なのか?」
「いや…そうじゃないのねん。
ありがとなのねん。」
それはとても意外な答えだった。
世夜とメリーは、考えた末に、真澄さんに迷惑をかけてはいけないからと、パーティの日の料理は自分達で作ると申し出たのだが、料理は真澄さんが作るのではなくケータリングに頼むと言う。
「心配しすぎだったのねん。」
「そのようだな…
とにかく良かったじゃないか。
これで、パーティには安心して行けるな!」
「楽しみなのねん!」
世夜とメリーは、ホッと胸をなで降ろした。
*
「ねぇ、世夜は、メリーに何をあげるの?」
放課後、メリーが席をはずしたのをきっかけに、アヤが世夜に声をかけた。
「一応、本人の希望でピアス。」
「ピアスかぁ…じゃあ、私は違うものの方が良いよね。
何にしようかなぁ…
あ!真澄さん!
真澄さんは、メリーへのプレゼントはもう決めた?」
「あぁ、それなら今年は手作りのものに決めた。」
「手作り?
もしかして、真澄さんの手編みのセーターとか?!」
悪戯っぽくアヤが微笑む。
「まさか…
実は、僕、最近ちょっと料理に目覚めてしまってね。
でも、まだお菓子類は作ったことがないから、彼には手作りのバースディケーキを作ってやろうと思ってね。」
真澄のその言葉に二人は青ざめた。
「あ、そろそろ、帰らなきゃ…
今日は、ちょっと見たいドラマがあるんで先に失礼するよ。」
真澄が出て行ったのと同時に、メリーがトイレから戻って来た。
「大変だ、メリー!」
「ど、どうしたのん?!」
「実はな……
真澄さんからおまえの誕生日プレゼントは…バースディケーキらしいぞ!」
「うわぁい!どんなケーキかなぁ?
たのしみなのねん!」
「……真澄さん手作りのケーキらしいぞ。」
「え………?!」
その一言で、まるで時が止まったかのようにメリーの動きがぴたりと止まった。
そんなに気を遣わなくても…
料理は、中華のケータリングを頼んであるからね。」
「え…?ケータリング?
本当に?」
「本当だが…何か?
もしかして、中華は苦手なのか?」
「いや…そうじゃないのねん。
ありがとなのねん。」
それはとても意外な答えだった。
世夜とメリーは、考えた末に、真澄さんに迷惑をかけてはいけないからと、パーティの日の料理は自分達で作ると申し出たのだが、料理は真澄さんが作るのではなくケータリングに頼むと言う。
「心配しすぎだったのねん。」
「そのようだな…
とにかく良かったじゃないか。
これで、パーティには安心して行けるな!」
「楽しみなのねん!」
世夜とメリーは、ホッと胸をなで降ろした。
*
「ねぇ、世夜は、メリーに何をあげるの?」
放課後、メリーが席をはずしたのをきっかけに、アヤが世夜に声をかけた。
「一応、本人の希望でピアス。」
「ピアスかぁ…じゃあ、私は違うものの方が良いよね。
何にしようかなぁ…
あ!真澄さん!
真澄さんは、メリーへのプレゼントはもう決めた?」
「あぁ、それなら今年は手作りのものに決めた。」
「手作り?
もしかして、真澄さんの手編みのセーターとか?!」
悪戯っぽくアヤが微笑む。
「まさか…
実は、僕、最近ちょっと料理に目覚めてしまってね。
でも、まだお菓子類は作ったことがないから、彼には手作りのバースディケーキを作ってやろうと思ってね。」
真澄のその言葉に二人は青ざめた。
「あ、そろそろ、帰らなきゃ…
今日は、ちょっと見たいドラマがあるんで先に失礼するよ。」
真澄が出て行ったのと同時に、メリーがトイレから戻って来た。
「大変だ、メリー!」
「ど、どうしたのん?!」
「実はな……
真澄さんからおまえの誕生日プレゼントは…バースディケーキらしいぞ!」
「うわぁい!どんなケーキかなぁ?
たのしみなのねん!」
「……真澄さん手作りのケーキらしいぞ。」
「え………?!」
その一言で、まるで時が止まったかのようにメリーの動きがぴたりと止まった。
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